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狂った男と意識の中に通る声
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「ヒャーーーー!!ンなことさせっかよ!!」

 そう言って岩から飛び出してゴドフリーに近づき、結晶を持った左手をブーツで蹴飛ばした。クラディールはそれを拾い上げ、さらにゴドフリーのパックに手を突っ込み、幾つかの結晶を取り出すと全部自分のポーチの中に収納した。

「クラディール……何のつもりだ……?これも何かの…実戦訓練なのか……?」

「バァーーーカ!!」

 まだ事態の把握できていないゴドフリーの口をクラディールのブーツが蹴り飛ばす。

「グハッ!!」

 ゴドフリーのHPがわずかに減少すると同時に、クラディールのカーソルがオレンジ色に変わる。だが、そんなこと今の状況になんの影響も与えない。こんな攻略完了層に都合よく通りかかるものなどいるはず無いのだから。

「ゴドフリーさんよぉ、馬鹿だ馬鹿だと思っていたがあんたは筋金入りの筋肉脳味噌(ノーキン)だなぁ!!」

 クラディールの甲高い声が荒野に響く。

「あんたにも色々言ってやりたいことはあるけどなぁ……オードブルで腹いっぱいになっちまっても困るしよぉ……」

 そう言いながら、腰に携えた両手剣を抜く。痩せた体を精一杯反らせ、大きく振りかぶる。そしてその両手剣は容赦なくゴドフリーに振り下ろされる。

「ま、待てクラディール!お前……何を……何を言ってるんだ……?ク……訓練じゃないのか……?」

「うるせぇ。いいからもう死ねや」

 そう吐き捨てて両手剣を無造作に振り下ろす。鈍い音が響き、ゴドフリーのHPバーが大きく減少する。そしてようやく現状の深刻さに気付いたゴドフリーは、悲鳴を上げるが遅すぎる。二度、三度、振り下ろされ、HPをどんどん削っていく。危険域に突入するとクラディールの動きが止まる。殺すまではさすがにしないのかと思ったのも束の間。両手剣を逆手に握ってそのままゴドフリーの体に突き立てる。HPがじわじわと減少していく。

「ぐあああああ!!」

「ヒャハアアアアア!!」

 一際大きな叫びと被さるようにクラディールも奇声を上げる。剣先がどんどんゴドフリーの体内に食い込み続ける。そして、両手剣が貫通すると同時にHPがゼロになる。そして、ガラスの割れるような音とともにゴドフリーの体はポリゴン片へとなり消えた。クラディールはゴドフリーを刺していた両手剣地面から抜き、もう一人の団員のほうを向く。

「ヒッ!!ヒィッ!!」

 悲鳴を上げながらもがき続ける。そこに奇妙な足取りでクラディールが近づいていく。

「……お前にゃ何の恨みもねえけどな……俺のシナリオだと生存者は俺一人なんだよな……」

 ぼそぼそ呟きながら剣をまた振りかぶり、無造作に振り下ろす。

「ヒィィィィッ!!」

「いいか〜?俺たちのパーティーはァー
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