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真剣で納豆な松永兄妹
第二十章 エピローグ
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濃密な1日であった。
松永久秀は、九十九髪茄子を見る。
……こいつのお陰で、最後に気を絞り出せた。
気力はゼロ。
体力もゼロに近い。
インタビューでは飄々とした態度を取っていたが、実のところ立っているのがやっとであった。
松永久秀に派手な必殺技は無い。
強いて言えば、松永流人間爆死が一番派手な技であるが、人間爆死は切り札でありやすやすと使うわけにも行かない。
松永家は知謀が必殺技である。
相手を不利な状況下におき、本来の実力で戦わせない上で、自分は最大のパフォーマンスで戦い勝つ。
それが、松永流の必殺技なのだ。
……徒手で川神百代に勝てたのはデカイな。もう二度と徒手で勝てるとは思えんが。
川神百代は川神院に搬送されていた。
松永久秀の最後に絞り出した気は壁を超えた強さを持つ武道家達が冷や汗をかく程大きかった。
ある意味、松永久秀が最後に放った攻撃は一撃一撃が必殺技であるといえる。
その高威力が直撃した川神百代は、持ち前のタフさで意識を取り戻していた。



「ここは……? そうか……」

……負けたのか。
口には出さなかった。
そして、思い出す。
アイツ……試合中に成長した――。
最後の攻撃、一撃一撃が重かった。
拳で語る攻撃だった。
――ごめんなさい。
――――勝たなくてはいけない。
――――――嫌われても絶対に勝つ。
アイツには信念と覚悟があった。
ソレに比べて私はただ、戦闘を楽しみたいだけだった。
気概――。
気持ち1つで闘気を大幅に引き上げたのか。
対戦中は憎いと思ったが、それは勝つために用意された策だ。
その策に見事に嵌って本来の実力を出せなかった。
負けた。
それをどう活かすかだ。
その前に、仲間に言っておこう。
アイツら、松永久秀と松永燕を怒らないでやって欲しいと。



今回の件から学ぶべき教訓は、自分の行いは返ってくるものだということだ。
後日談というか今回の結末。
川神百代のお陰で風間ファミリーとは未だにお友達。
試合で加減して倒した川神一子には謝罪と全力での再戦。
松永家の名は全国各地に広まったし、松永納豆の売れ行きも物凄いことになった。
おとんと、おかんは旅行中。どこかでシッポリやっているのだろう。
復縁というか、久しぶりのお楽しみという奴らしい。

川神百代は負けた当日には立ち直った。
彼女は初心に返って1から鍛え直しており、日々洗練されて強くなっている。
彼女に勝つという目的を果たした為、川神院の早朝稽古は自由参加。
燕ちゃんは行ってるが俺は行ってない。
隙がないし、再戦したら確実に負けると思う。
四天王の2人が仲良く稽古というのもアレだし。
あの試合後、川神学園で有名人となったし、世界各国から訪れる挑戦
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