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とある3年4組の卑怯者
74 裏切者
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試みた。
(次こそ絶対に決める・・・!)
 たまえはジャンプした。橿田もブロックのためにジャンプする。
(まるちゃん、恨みを晴らすよ・・・!!)
 たまえがスパイクした。ボールは橿田の胸に当たり、ボールは寺東が救い上げようとするもネットの下をくぐってしまい、4組の得点となった。橿田がボールが当たった胸を抑えて言った。
「たまちゃん・・・、やっぱりまるちゃんって子の方がいいんだね・・・。だから私と裏切ったんだね・・・」
「ひろ子ちゃん・・・」
 たまえは自分は橿田にとって裏切り者だと思われていると橿田の言葉で分かった。それは当たりでもあるし、外れでもあった。確かにたまえは自分がまる子と友達になり、橿田と疎遠になった事は事実だ。客観的に見て裏切ったとも言える。しかし、たまえは橿田とも友達で続けていたかったのだが、彼女は自分のクラスに友達を作って自分には距離を置かれたような感がした。もうあの時の橿田ひろ子はいない。ただまる子がいいからと言って橿田と絶交したわけではない。
(たまちゃん、ごめんね。貴方が橿田さんって人とどういう関係なのか知っちゃったの・・・。苦しいかもしれないけどこの試合(ゲーム)で今までの決着を着けてくれればいいんだけど・・・)
 リリィはたまえに事実を知ったことを申し訳なく思いながらも二人の溝をこの試合を通して埋めたいと思っていた。試合は続く。寺東のスパイクが決まって10点目、しかし、4組も筒井の左手のスパイクがボール・アウトになり9点目、そしてたまえのサーブを筒井がレシーブミスをして同点に追いついた。次は佐川のスパイクが勢い余ってコートを超えてしまって4組が11点目と逆転、しかし小島がサーブをネットに当ててしまって11-11の同点、次は橿田のアタックで5組に12点目が入った。しかし、次はたまえが反撃するかの如く勢いのあるスパイクを決めてまた同点とすると、5組にもたつきが出た。桃山の東京タワーレシーブをヨリもたまえも見送った結果ボール・アウトになり、さらに寺東のジャンピングトスが誤って相手に4組のコートに入ってそれを冬田がスパイクして4組が14点目を入れた。橿田がタイムを取り、輪を組んだ。そして、久口のスパイクをヨリがレシーブしきれず5組が1点差に詰め寄った。次は内田のスパイクで4組がマッチポイントとした。そしてたまえと橿田、お互い4度目のフロントセンターでの顔合わせとなった。
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