第35話 エイリス式紅茶会とトランプ外交 Ev15
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難民を誘導。
本人は惑星ベルリンに王宮騎士艦隊を急行させて、ジュザン・ジューコフ元帥と粘り強い交渉に当たる。
現在ベルリン星域ではソビエト軍が占領した惑星ベルリンを挟んで、
ドクツの東西の戦域に分かれてエイリス艦隊とソビエト艦隊が睨み合っている状態だ。
ソビエトは惑星ベルリンの占有権を主張して、エイリスに星域から撤退するよう要求。
エイリスも第三帝国の降伏を受け入れたのは自国だと主張して交渉は平行線を辿っていた。
そこに共有主義の拡大を望まないガメリカがエイリスに肩入れし連合国の調停役として、
大西洋艦隊司令のドゥービル・ドワイトを代表者として欧州星海域に派遣する。
居酒屋のヤルタで三国代表の会談の場がもたれて、
米英の二国を敵に回すことを嫌ったジェーコフ元帥が折れ、戦時国際法の順守を誓ったところだ。
エイリス、ガメリカが監視団を送り、現在はルールに沿った接収作業、治安回復が行われている。
「戦死者は軍・民間人を合わせてドクツ民だけで30万人を超えるようです。
負傷者は約20万人、ソビエトによると捕虜は約15万人ほどいるそうです」
「……そうですか」
セーラは心を痛めた。この大戦によって各地で多くの命が失われているが、
ベルリンのそれはドクツのパリ占領時とエイリスのパリ解放時に失われた命よりずっと多いのだ。
ヤルタ会談の内容からしてもソビエトに戦時国際法を尊重する気がないのは明らかだ。
「交渉に携わったジェーコフ元帥が。本国に更迭され、新たな司令官に代わるという噂もあります」
「ソビエトは先の大戦の惨劇から何も学んでないのでしょうか?」
大戦を始めたドクツに対する怒りは勿論あったが、
ドクツは少なくとも国際戦時法のルールは守って戦争を行っていたのだ。
産業革命による宇宙技術革新によって人類が得た力は、
前世界大戦で惑星上の生態系、文明を先史時代まで崩壊させるものだと証明された。
「情報部が亡命者から“アドルフの遺産”に関する情報を集めましたが、
たしかな情報は得られませんでした。ソビエトも何も掴んでいない様子です。
やはりフシミ提督もしくはゲッペルス総統代理に訊ねるより無いのでしょう」
「伏見卿にこれ以上の“借り”を作る訳にもいきません。
アドルフの遺産に関しては、ゲッベルス総統代理との個別交渉の際に、
王室がレーティア・アドルフの亡命を認める代
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