第35話 エイリス式紅茶会とトランプ外交 Ev15
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トドラッグ》の力を借りている。
ガメリカなんかでは栄養補助食品やサプリメントの感覚で日常的に用いられている向知性薬だ。
戸塚軍医はヤバクナール≠ネどの前科があるのでスグオボエール≠熾寫用が怖い。
御前会議の印象だけでは、かなりダメな感じがする宇垣さくら外務長官だが、
外交的教養でいえば正規艦隊の提督の中に彼の代わりになれる人材は見当たらない。
一時期は山下陸軍長官のように外務長官と兼任で提督として
現場に復帰するという話もあったが、外務長官の仕事に専念して欲しいと断りを入れた。
チェスやカードにしてもゲームを通じて公では口に出せない情報を交換しようという意味だ。
チェスであれば序盤定跡や短手数局などの知識がなければ、
そこに含まれている意味や意図を見抜くことができない。IGMはチェス王者に与えられる称号だ。
カード(トランプ)もの知識も似たようなものだが、
知識不足であるが絵柄の意味くらいであれば分かると含ませた。
あとはモントゴメリー卿の方でうまく取り計らってくれることだろう。
――――グリンガム宮殿、女王執務室――――
「ロレンス、報告を……」
エイリス女王セーラ・ブリテンが守護騎士ジョン・ロレンスから報告を受け取る。
内容はベルリン星域から戻って来たモントゴメリー騎士提督から提出された資料をまとめたものだ。
帰国早々クルード・モンゴメリーは先代女王エリザ・ブリテンのお相手をさせられている。
「惑星ベルリンで、占領当初にソビエト軍が行っていた略奪行為は静まりました。
彼らは戦争責任者であるアドルフ総統とドクツ第三帝国幹部および、
残されたアドルフの遺産の捜索だったと言っておりますが――」
「……欧州全域に配信されたコンサートの映像は届いていたでしょうに……愚かな行為です」
最終防衛ラインを突破したソビエト軍はエイリス軍より先に惑星ベルリンの制宙権を確保。
伏見空が危惧していたように惑星ベルリンを占拠したソビエト軍は、
戦時国際法のルールを無視した接収作業を行った。
逸脱した進駐軍の行為に対して、ドクツ国防軍が抵抗し市街戦が発生。惑星上が戦場と化した。
民間人にも多くの死傷者が出てたことが救援活動団体、人道支援団体から報告されている。
ドクツと日本の大使館は亡命ビザを大量に発行しドクツ民をベルリンから避難させた。
オフランスとドイツのワープゲート国境である西部戦域線には、大量の避難民を乗せた宇宙船が集まった。
モントゴメリー騎士提督は、旗下のコンパス提督の艦隊を護衛につけ惑星パリまで避
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