第十八章 VS川神百代
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レディー、ファイト!」
川神百代の疑問も吹っ飛ぶ。
●
「はぁああっ!」
気を込めた全力全開の打撃。
「なに!」
瞬間回復のある川神百代が防御をした。
「学校での戦いも、川神院の稽古も、全部加減していたって見抜いてただろうが!」
「ああ!」
それでも、ここまで重い一撃は九鬼揚羽以来だと川神百代は感じていた。
「そら! これはどうだ!」
蹴りを当てる。
同時に、川神百代の身体に電撃が走る。
「くっ。しびれるじゃないか!」
「電撃属性の攻撃を覚えるのには結構苦労したんだぜっ、と!」
川神百代の攻撃を見切って避ける。
「久秀ばかり攻撃が当たってずるいぞ!」
追撃の蹴りを防ぐ。
「殺す気か!」
気で覆われた足蹴だった。
一般人なら受けた箇所から肉体が吹っ飛ぶほどの気の量だ。
「ははは、お前なら大丈夫だと信じてたぞ」
それでも、コレっきりだ。
攻撃の癖がいつも以上に出ているのを確認するために受けた。
やはり、川神一子に対しての行いと、リング上からでも見える燕ちゃんと直江大和君のくっつき具合が感情を揺さぶっている。
川神百代の攻撃を防いで、彼女と距離が空いた。
ここぞとばかりに、瞬間回復を行なってきた。
「瞬間回復か……厄介だが、回数制限はあるだろ?」
「そうだな。1回の戦いで30回ぐらいだな」
「そうかい。じゃあ、行くぜ!」
松永久秀と川神百代。
その攻防は最高峰の武舞。
だが、見ていた観客達は異様な光景に気づき始めていた。
松永久秀の攻撃は当たるが、川神百代の攻撃が全く当たらない。
「はぁあーっ!」
「――それ!」
猪突猛進の攻撃に対して、松永久秀は冷静に対処、反撃で確実に電撃性の攻撃を与える。
徐々に、川神百代の体内にダメージが蓄積されていく。
「く……」
川神鉄心、ルー師範代、釈迦堂刑部、鍋島正はいち早く、川神百代に対して松永久秀が完璧にその癖を掴まれている事に気付いていた。
4人は同時に心の中で川神百代の敗北を薄っすらと感じ始めていた。
特に、川神鉄心は瞬間回復の弱点である電撃性の攻撃に対して思う所があったのだが、それを助言するわけにも行かず、ただ見守るしかなかった。
「ふぅ……そうか。日々の稽古で私の癖を把握されたか」
「……」
「お前、私の技を見るために川神院に?」
「ああ」
「私と仲良くなったのも?」
「その方が効率が良いんでね」
松永久秀は否定しない。
日々、川神百代を倒す事に重きを置いた行動。
それがようやく理解できた川神百代にとって松永久秀の存在が今後どのようなものになるか。
それは――
●
必要悪
用意周到
対策と傾向
配点:
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