ダンジョンで死にかけるのは間違っていない 2
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わ」
「おじいちゃん」
「女癖と酒癖は最悪だったけど」
「……おじいちゃん!!」
涙で前が見えなくなりそうだ。
「昨日の今日でどうしたんや?えらい荷物を担いで」
「ロキ様に力を貸していただきたくて」
「改宗か?」
「いえ、ヘファイストス様にお礼と謝罪がしたくて」
「どういう経緯やねん?」
「その、昨日話しに上がってた『心の怪盗』おじいちゃんだったみたいで。おじいちゃんが落としていたものを50年間預かってもらっていて、それを返してくれたお礼と、色々と迷惑をかけていたみたいなのでその謝罪を」
「あー、なるほどなぁ。けど、なんでウチに相談に来るんや?ドチビに相談すればええやないか」
「それが、神様は神様で色々とお世話になっているから自分もお礼をするんだって別行動を」
「そう言えば世話になっとったな。あまりにアレで追い出されたんやっけ。それでも仕事とか住む場所も紹介されたとか聞いたような」
「……神様!!」
零細ファミリアの神様は生活費を稼ぐためにアルバイトをしていたりするのは聞いたことはあるけど、ヘファイストス様にそこまで面倒を見てもらっていただなんて。おじいちゃんの件と似たような理由で涙がこぼれそうです。
「あ〜、まあ、ドチビのことは置いとこうやないか。それで、そんな大荷物でどうしたんや?」
「あっ、はい。僕はまだ駆け出しなので高価なものとかを用意できませんが、おじいちゃん仕込みの調合とか裁縫とか色々な技術はあるんで、それで何かを用意しようと思ってるんですが」
「なるほどな。それはええ考えやろ。そんなら一番得意な物にするんが一番やろ。ヘファイストスやって、ベルが駆け出しなんは知っとるやろうから、高価な物を用意するより受け取りやすいやろ」
「一番得意な物だと化粧品ですね。3割増しでキレイになるって喜ばれてました」
「ただの化粧でか?ちょっと大げさやないか?」
「いえいえ、そんなことはないですよ。ロキ様も試してみれば分かりますよ」
「そんなもんかいな?」
「そんなものです」
「まあええわ。試してみたろ」
「それじゃあ、ちょっと失礼しますね」
ロキ様の手を取ってみて疑問に感じた。見た目と触れた肌の質が違う。鞄の中からとある液体を取り出して、ロキ様の腕に一滴垂らして軽く擦ってみる。するとぼろぼろと汚れが落ちる。
「なんや、それ?」
「……ロキ様、今落ちていったの、身体に付着してる汚れです。しかも汚れを浮かしやすい液体を垂らしてちょっと擦っただけなのにすごい量の汚れが」
「……えっ、まじかいな?」
ロキ様の糸目が大きく開かれる。糸目より目
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