ダンジョンで死にかけるのは間違っていない 2
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フだった。
「50年前にあいつが落としていった物だ。本人が取りに来てたら、いびってやろうと思っていたのだけどね。亡くなったのなら家族に返すのが筋でしょう」
「これ、物凄く良い物だと思うんですけど」
「買おうと思ったら6000万は堅いわよ。50年前のウチのトップだった娘があのバカに貢いだ物だからね。オリハルコン製の不壊属性が付いた一品よ」
「6000万!?しかも貢がせた!?」
おじいちゃん、一体何をしてるんだよ。
「それから、それは君が使ってあげて。絶対にお墓に供えようとは思わないで。『武器は」
「命を奪ってこそ本懐を遂げる。それが一番の誇りであり、尊重する唯一の行為だ』僕には勿体無い武器だとは分かっています。ですが、大切に使わせて頂きます」
「そうしてあげて」
「はい、ありがとうございます、ヘファイストス様」
「あのバカとは違って礼儀はちゃんと知っているみたいね。名前は?」
「ベル・クラネルです。礼儀作法は、その、おじいちゃんが連れ込む女の人に教わってました」
その切り返しにヘファイストス様とエイナさんが頭を抱えこむ。
「ベル君、君の知識が微妙に偏ってる理由はそれが原因なのね」
「あのバカ、自分の孫の教育をそんな風にしてたのか。感性がずれてるとは思っていたが、そこまでとは」
「感性がずれてる?」
おかしいな。そこまでおじいちゃんは感性がずれているように思ったことはない。
「駄目ね。完全に手遅れだわ」
「そうですね。ベル君、10日に1回でも良いからちょっと勉強しよっか」
重症判定らしい。ここは話題を反らそう。戦略的撤退だ。
「ロキ様も言っていたんですが、おじいちゃんって大分派手に活動していたんですね」
「そうね。『超遊び人3』なんて二つ名が付く位にはね。それでも、やる時はやる男だったと思わされたのはオラリオから居なくなった時よ」
「どういうことなんですか?」
「世間じゃ痴情の縺れで納得されてるけど、正確には神同士の争いから主神を守って逃げたのよ。まあ、元を辿ればあいつが女たらしだったのが原因だけどね。あいつの取り合いで主神が呪いに掛けられてね、それを何とかするためにオラリオを去ったのが真相よ。真相を知っているのはほんの一握りね。なんせ、情報が錯綜しすぎて何が正しいのかすらちゃんとは分かっていないのよ」
「だから『心の怪盗』なんて二つ名がつけられてるんですね」
「なんだかんだで面倒見の良い奴だったし、あいつの周りから笑顔が途絶えたことはなかったわね。まあ、怒声もよく上がっていたけど。オラリオを出ていってからは皆、違和感を覚えるぐらいにはオラリオの中心だったのよ。そこだけは素直に凄いと思える
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