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ダンジョンで死にかけるのは間違っていない 2
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の高い娘と出会いおって』

そんな幻聴が聞こえた気がする。まだ寝ぼけているな。








エイナさんはデートと言いながらも僕の新しい防具を見繕おうと言って、バベルにまで連れてくる。

「エイナさん、僕のスキルの関係上ヘファイストス・ファミリアの武具とは相性が悪いんですけど」

レベルに合わせた武器を持っても、百人力で全部使い捨てにしなければならなくなることを考えると不壊属性の武具じゃないと意味がない。ぱっと見た感じヘファイストス・ファミリアの武具は性能は高いが耐久性はその分犠牲になっているみたいだ。僕の技量の問題もあるようだけど、斬るよりは叩くのが僕のスキルに合っている。無骨や棍とか、大剣とかだね。普段使いはナイフの方が良いんだけど。普通はサブウェポンだし、そのサブウェポンにすら手が届かないお値段だ。もしくは僕の本来の武器であるアレを使うなら買い換える必要すらなくなる。

「ベル君、自分には縁がないと思ってるでしょう?」

「まあ、駆け出しですし。それに趣味に合わないんですよね。おじいちゃんに影響を受けてるのもあるんですけど」

それに本当の本気の武器と防具は別におばあちゃんから貰ってるしね。

「おじいさんの?」

「おじいちゃんが言うには『武器はどう言い繕うとも命を奪う物だ。そんなもの着飾らせるなら」

「他人の女でも着飾らせておけ。目の保養にはなる』君のおじいさんはそう言っていたんじゃないのかい?」

赤毛で顔の右半分を隠す眼帯を付けた女の人が店の奥から出てきた。

「神ヘファイストス、ベル君のおじいさんをご存知で?」

「知ってるよ。君はあのバカの孫か。何処と無く雰囲気が似ているし、言ってることがまんまあのバカの台詞だ。今どうしてるの、あのバカは」

「先日亡くなりました。死ぬまで生涯現役の腹上死です」

「とことんバカだったか。そうか、亡くなったか。なら君に返すのが正しいようね。ちょっと待ってなさい」

ヘファイストス様は再び店の奥へと消える。

「ちょっと、ベル君。君のおじいさん、一体何者?」

エイナさんが小声で尋ねてくるので、僕も小声で返事をする。

「50年ほど前に痴情の縺れでオラリオから逃げ出した冒険者だって昨日知りました」

「それって都市伝説みたいに残ってる『心の怪盗(ハート・オブ・ルパン)』のこと?」

「らしいです。昨日ロキ様との世間話で知りました」

「待たせたね。これは君に返す」

店の奥から戻ってきたヘファイストス様から木箱を渡される。開けてみると、そこには一本のナイフが入っていた。柄には滑り止め用にモンスターの皮が巻かれ、ナックルガードとソードブレイカーが付いていた。一切の飾りはないおじいちゃんが好みそうなナイ
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