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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
妖精たちの○○な日常 vol.1
S t o r y 1 5 温もりと幸せ
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、他の参加者達の視線が集まりだした。
「すみません。相当酔っぱらっていらっしゃったご様子でしたので、酔いを醒まそうと」
「ッざけんじゃねー!」
男が握り締めた拳でジーハスに殴り掛かるが、首を僅かに左に傾けて避けると、そのまま男の手首を掴み捻り上げる。
「うあたたたたたっ!」
男がその痛さに悲鳴を上げる。
「まだ酔いが醒めていないようですね……。」
そう言うとジーハスは男の耳元に顔を近づける。
「このまま海に叩き落とされて鮫の餌食になるか、右手が使いものにならなくなるか……てめェはどっちがいいんだ?」
「ひっ…ひいいいいいっ!」
耳元で囁かれたジーハスの言葉に男は悲鳴を上げる。ジーハスの声は男にしか聞こえていなかったが、ジーハスがどんなことを言ったのか、リンは大体見当がついていた。
(あははは、ジーハスは怒ったら意外と怖いんだよね。)
肩を竦めながら後の事はジーハスに任せると、リンはテーブルに置いておいたシャンパンを一口啜る。
「そこの警備員、このお客様を別室へ。」
「あ、はい。」
「ほら、歩いて歩いて。」
ジーハスは警備員に変装したティールとサーニャに男を任せると、割れたグラスを拾い集めているレーラに歩み寄り、一緒にグラスを拾い集める。
「ちょっと!いくらなんでもやりすぎじゃない!?」
「ヘーキヘーキ。リン姉からも何のお咎めも無かったしな。つーかなんだよ、せっかく助けてやったのにお礼の一つも無いのかよ?」
「……ありがとう。」
ジーハスが小声で不満を言うと、若干照れながらレーラがお礼を述べる。それを聞いたジーハスは満足気に白い歯を見せながら笑った。
「それと、ここはあと俺がやるから……お前は着替えて来いよ。」
「え?別に汚れてはないんだけど……?」
「いーから、さっさと着替えて来いって。」
「?わ、わかったわよ。」
意味が分からず首を傾げながらもレーラは言われた通り足早に着替えに行った。
(あははは、無意識…なのかな?)
グラスの破片を拾う、Yシャツを身に着けたジーハスの丸まった背中を見つめながらリンはまたシャンパンを一口啜る。
(思えば……ティールとサーニャに出会ったのが7年前、ジーハスとレーラに出会ったのが6年前かぁ……。皆、強くなったなぁ……。)
グラスをくるりと回す。
(私は、ずっと……弱いまま―――――。)
リンはシャンパンに映る自分の顔を見つめながら、あの時のマスターの言葉を思い出した。
『そのオークションに、もしかしたら
奴
(
・
)
等
(
・
)
が関わっているかもしれんのじゃ。』
『え……。』
リンはゆっくりと目を閉じる。
脳裏に浮かぶのはリンと顔立ちがよく似た黒
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