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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
妖精たちの○○な日常 vol.1
S t o r y 1 5 温もりと幸せ
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2日後の夜に、ラナンキュラスの海で再びそのオークションが主催の船上パーティーが開かれるという情報を入手したらしい。依頼内容は、参加者を含めたオークション関係者の身柄を一人残らず確保することじゃ。」
「なるほど……。」

リンはもう一度依頼書を見遣る。

「それと……」
「?」

マスターはリンに屈むように促す。首を傾げるリンだったが言われたように屈むと、マスターがリンの耳元で何かを囁いた。カナとミラ、ハッピーの3人は顔を見合わせる。

「―――――。」
「え……。」

リンの小さく開かれた口から微かな驚嘆の声が零れ落ちた。

「リ、リン……?」
「ちょっ、いったいどーしたんだい!?」

リンの顔を覗き込んだハッピーとカナが驚嘆の声を上げた。
まるで何かに怯えるかのように、リンの顔は真っ青で鈴を張ったような黒い大きな瞳が大きく見開かれ、口が震えている。依頼書を握る両手もわなわなと震えており、くしゃっと音を立てた。

「マスター!リンに何を言ったんです!?」
「………。」

問いかけるミラの言葉にマスターは何も言わない。代わりに、

「無理にこの依頼を受理することはない。ただ……伝えておくべき、だと思ってな……。」

そうリンに静かに告げた。周りの喧騒がやけに大きく聞こえる。
そしてリンはゆっくりと目を閉じ唇を固く引き結んだあと、自分を落ち着かせるように大きく深呼吸をする。次に目を開けた時、そこにはもう怯えはなかった。覚悟を決めたようにマスターに視線を戻すと、

「やります。」

短く、そう告げた。
その言葉にマスターはゆっくりと大きく頷くと、

「アイツ等も…ティール達も連れて行きなさい。」
「えっ。」

リンの顔に翳りがさす。

「で、ですが、これは私個人の問題で…ティール達を巻きこ」
「命令じゃ。」
「!……わかりました。」

有無を言わせないマスターの言葉にリンは渋々頷いた。

「おーいティール!サーニャ!ジーハス!レーラ!あんた達のママがお呼びだよーーーっ!」
「えっ!ちょっ、ちょっとカナ!」

ギルド中に聞こえる声で叫ぶカナを止めようとしたが時既に遅し。

「リンさん、何か御用ですか?」
「もしかして、仕事かっ!?」
「ひははふいほぉ…もぐもぐ……ひおほ、だね……もぐもぐ。」
「サーニャ、ちゃんと食べ終わってから喋ったら?」

ティールが首を傾げ、ジーハスがキラキラと目を輝かせ、ケーキを食べながら喋るサーニャのクリームが付いた口をレーラがハンカチで拭う。
リンの元へと駆け寄る4人のあまりの速さにカナ、ミラ、ハッピー、マスターは目を見開いた。ジーハスと勝負をしていたナツ、レーラと一緒に本のことについて話していたルーシィとレビィ、サーニャと
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