防人のミステイク
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同感です』
「私、次元世界に来てから不幸続きな気がする。まるで世界に嫌われてるんじゃないかってぐらい大変なんだけど、どうしてこんな目に遭わなきゃいけないんだろう……」
「あー、あー」
『嘆きたくなる気持ちはわかりますが、あまり後ろ向きにならない方が良いですよ。ほら、フーカも泣き言を言うなって言ってますよ』
「無理言わないでよ……私、そんなに心は強くないんだから。……ケイオス、大丈夫かな……」
まぁ、彼なら例え丸腰で戦場に放り出されたとしても、なんか普通に帰ってきそうだ。私なんかが心配した所で、何の意味も無いか。
うつら……うつら……。
『眠そうですね、さっきから船を漕いでますよ』
「そりゃあね……体も重いし、今の内に少し眠っとこうかな……」
「うー?」
『流石に体力も限界ですからね、わかりました。シャロン、おやすみなさ―――ッ!?』
バシュッ! と何かが発射される音がした直後、私は繭みたいな魔法陣に全身を覆われてしまう。慌てて意識を覚醒した私は外に脱出しようとしたが、その魔法陣は壁のようになってて出ることが出来なかった。
「重犯罪者用、転移式捕縛ネット。強力な魔導師を本局に取られてばかりだった管理局地上本部が、高ランク魔導師の犯罪者を強制的に無力化するために用意していた切り札だ」
「だ、誰!?」
声のした方を向くと、大柄の屈強そうな男が渋面を浮かべて私を見つめていた。って、重犯罪者!?
「私、犯罪なんてしてないよ!? なのにどうして…!」
「すまない、これも任務なんだ」
「任務!? 何の罪もない人にこんなことをするのが、任務だって言うの!?」
「……」
「ねぇ!? 何か言って―――」
「ゼスト・グランガイツ! 彼女に何をするつもりだ!」
「し、シオン!!」
戻って来たシオンがこの光景を見た途端、血気迫る表情でゼストと呼ばれた男に詰め寄った。ゼストは眉間に更にしわを寄せ、苦々しく言葉をつく。
「月詠幻歌の歌姫。レジアスは今朝、地上本部勤務の局員に対し、どんな手段を使おうとこの者を最優先で確保するように命令している。ミッドを守るためには、彼女の存在が不可欠だと言ってな……」
「ミッドを守る……ファーヴニルの封印のことか!」
「彼女がいなければミッドが、地上が滅ぶ。ならば俺は、非道と罵られることでもやってやろう……!」
「彼女の身柄は私達アウターヘブン社が預かっている! 彼女に許可もなく問答無用で手を出すということがどういうことなのか、あなた達はわかっているのか! 管理局最強の騎士とも謳われたあなたが、こんな人の意思を無視した真似をするのか!」
「わかっているとも! ああ、わかっているとも……! だが、仕
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