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リリなのinボクらの太陽サーガ
防人のミステイク
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んで大丈夫なの? これを巡って争いが起きかねない気がするんだけど」

「だからこうして厳重に隠してるんだよ。これは管理世界の事情や経済の問題を根っこからちゃぶ台返しするほどの代物なんだから。なにせ永久機関に最も近い動力炉、と言っても過言ではないし、公表すればまさに革命が起きるだろうね」

「次元世界規模の産業革命……アウターヘブン社の持つ手札の中でも最大級の切り札であり、同時にジョーカーでもあるってことか。でもやろうと思えばエネルギー資源不足の問題は一応これで解決できる辺り、ユーリには星の開拓者スキルでもあるんじゃないかな……」

地球にはトーマス・エジソンやニコラ・テスラといった偉大な発明家がいた。彼らの発明が、今の地球の文明の根幹を為した。次元世界において、ユーリはそんな彼らに匹敵するレベルの発明をしたのだ。……明らかにPMCの範疇を超えてるけど、アウターヘブン社はそういう常識なんて余裕で無視してるから今更か。

「とはいえ、これはシェルターの動力炉としてのみ使えるよう設定されてる上、障壁(ゲート)に回すだけで大量のエネルギーを使うから、余剰分はせいぜいシェルター内部の電源程度にしか使えないんだ」

「ユーリが出来る限り使わないように言ったのは、こんな情勢のミッドに余計な火種を生み出さないためか……。下手すればここだけ安全地帯ってことになって、場所の奪い合いが起こる可能性は高いから」

「その通り。本来は生存者の数がこのシェルターに入る分だけになったら、ここでしばらく籠城するか、ミッドを捨てて脱出するという最終手段のために用意されてたんだけど、もう四の五の言ってられる状況じゃなくなったからね。……さて、起動開始っと!」

シオンが操作を終えると同時に、ゴゴゴゴ……! と重音を響かせ、目の前のエンジンは回転し始めた。この機関室での用事は済んだため、エレベーターで元の階層に戻るなり、シオンはすぐに前線へ戻っていった。
というのも障壁を展開しても範囲内にいる敵を倒せるわけではないため、掃討戦を行う必要があったのだ。尤もこれ以上増援は来なくなったため、戦いの終わりが見えたことに前線の兵士達の士気は一気に向上、凄まじい勢いで巻き返していってるそうな。

「はぁ……今日はアルバイトを終えた直後に誘拐されて、ショッピングモールで立てこもり事件、イモータルの襲撃とギジタイの発覚、フレスベルグと高町なのはの奇襲、旧シェルターの爆破離脱にエリオ・モンディアルとゴエティアの狙撃と、もうなんか色々あり過ぎて疲れた……」

シェルターの奥、ちょっと人目に付かない場所で腰を下ろした私は、今日一日の疲れがどっと押し寄せてきて、深いため息をついた。

『今日はまだ終わっていませんが、それでも立て続けに大きな出来事が起きたせいで非常に疲れたのは
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