防人のミステイク
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! 我々が護衛するこの場所で、好き勝手させんぞ! 総員、ここから一歩も退くな!」
防衛隊長の叱咤激励に威勢よく返事するアウターヘブン社の兵士。それ対して局員は魔法封印でまともに戦えなくなったことで、臆病風に吹かれてしまう者が大概だった。
「だ、駄目だ……こっちはもう駄目だ! 撤退させてくれ!」
「逃げるな! 逃げるヤツは俺が縊り―――」
ドォーンッ!
「ぐあぁああああああ!!!」
爆音、そして断末魔。
ついさっき撤退しようとしていた局員の部隊長は、敵兵器から発射された空中機雷に胴体を吹き飛ばされ、いとも容易く死を迎える。敵の小型ロボットは大抵ビームを使うが、時々空中機雷や砲弾を放つタイプが混じっている。威力が高い機雷は接近される前に撃ち落とせば良いのだが、迎撃に集中すればビームや砲弾の集中砲火を浴びる。単純だが効果的な戦術だった。
そして今、隣にいた局員達が全滅したことで陣形に穴が開いてしまい、すかさず敵兵器とアンデッドはそこを狙って一気に進軍を始めた。
「こ、こいつら……! 一体どれだけいるんだ!? 数はさっきより減ってる気がするが……クソッ、お前らひるむな! ここで退いた奴は全員、股間のムスコを切り落としてやる! 一生女を抱けなくしてやる! ああ!? 嫌か!? そりゃ男なら嫌だろう! 嫌なら戦え! 死んでも戦い抜け!」
「「「「「ウォオオオオオオオッッ!!!!」」」」」
「我々は後ろのガキ共を任された! だからここは退けねぇ、退くわけにはいかねぇんだよ!」
魔法の使えないただの人間でありながら、彼らは後ろにいる者達を守るため、決死の抵抗を続ける。質量兵器を手にして、絶望的な状況だろうと諦めない。その血気迫る姿を後ろから見ていた局員や市民は、魔法があろうが無かろうが関係ない人間の強さというものを目の当たりにしたと感じた。そして……魔法が封印されただけで撤退してきた自分達はどうか、と考え……彼らと自分達は違う、という意味のない言い訳を使って黙していた。
「ダメダメダメ〜♪ あんた達がいなくなったらラーン商店街が回んなくなっちゃうって。ほれ、ダイナマイトの差し入れだよん♪ ハッ、汚っねぇ花火だぜ!」
「ゴラァ! うちらのシマ荒らすったぁ良い度胸してんじゃねぇか! アンデッドだか何だか知らねぇが、落とし前付けてやらぁ!!」
「孤児院のロリっ子達が怖がる顔もそそるけど、やっぱり笑ってる顔が一番キュートなのよ! トリモチランチャー、一斉掃射!! アンデッドでもねばねばにされれば動けないでしょ? ねぇどんな気持ち? 不死者なのにねばねばに勝てないって、どんな気持ちぃ〜?」
「攻撃が効かない? そんなの関係ねぇ、嫌がらせなら私達におまかせあれ〜! ドラム缶ローリングアタ〜ック
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