第七章 C.D.の計略
勝利のヴィジョン 敵の資格
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この張三姉妹。
そんな裏事情を知る愛紗と翠の話を聞いて、そうなの・・・ともらす華琳。
蓄えがないわけではないが、一刀とて相手をする女子がこれほど多いのだ。
出費は控えられるだけ控えたい。
「だったら私たちも一緒におごってもらえるんじゃないか?」
「あ、それいいわね」
「お、おい!ご主人様の懐事情も考えて・・・」
「なによ。男児たる者、それぐらいの度量はないとダメでしょう」
「それはそうだが・・・」
「ん?なになに?ライブ終わったら隊長おごってくれるん?」
「やったのー!これは沙和張り切っちゃうのー!」
「こらお前ら!!隊長にたかるようなことは・・・・」
「なに!?北郷がおごってくれるだと!?」
「姉者。そう大声を急に出すな・・・」
「聞いた!?兄様とごはんだってさー!」
「き、季衣?腹八分目っていう言葉がね・・・?」
(ああ、俺の末路は変わらないのね・・・・)
華琳、愛紗、翠の会話から、さらに北郷隊三人に飛び火し、さらに秋蘭、春蘭たちの耳にも届いてしまった。
ほろりと涙を流しながら、一刀は頭の中で預金通帳の数字を数え始めていた。
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その時
武道館裏手にいた男は、余っていたのであろうスタッフの服と帽子をかぶって台車を転がしていた。
台車の上でゴトゴト揺れているのは、一辺100センチ程度の木箱。
適当に手に入れた、首からかけるカードケースに白紙の紙を入れ、誰かと通り過ぎたところで体を揺らして死角に入れる。
(ああ、きっと裏面なんだな)
そう思わせて、実に三人。
彼からすれば三回連続だが、通り過ぎたスタッフ個人からすれば一回だけのこと。特に警戒することもなく、通り過ぎていった。
そして、男は「男性用トイレ」と書かれた扉の前で止まる。
個室は三つ。
手前に台車を、奥に自分が入り、機会を待つ。
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ほどなくして、一人入ってきた。
残念ながら個室に入るようではなかったらしいが、問題ない。
男は飛び出し、用を足していた男を一瞬で気絶させ、そのスーツを剥ぎ取った。
そして再び台車を転がす。
スタッフ証は男のものを奪い、写真をすべり込ませてある。
多少のずれ程度、ばれるものか。
と、そこで数人のスタッフとすれ違う。
服装からして、おそらくはアイドル所縁のスタッフだろう。
だが、
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