第九章 休日の過ごし方
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閉館まで葉桜清楚に付き合った。
「じゃ、また明日」
「うん。またね。それと、また遊んでね」
アレが遊びと言えるかどうかは分らないが、了承した。
●
時間が経つのは早い。
もう夕方か。
「うむ。図書館で休んだおかげでそこそこ馴染んできた」
体感的には朝よりマシになってきている。
しかし、完全に慣れるまでに一ヶ月はかかると思うぞ。
「見かけた顔だと思ったら男の方の松永先輩じゃないか」
「弁慶……」
本当に今日は武士道プランの女の子と縁がある。
「どうしたこんなところで?」
「夜の川神水のアテを探しに」
ツマミ探しかよ。休日も飲んでるんだな。
「それならあそこの店が美味いらしい」
熊飼満、最近じゃクマちゃんと呼んでいる食通の友達だ。
そのクマちゃんが美味いと教えてもらった店である。
「ほう。ならば買うか……。あと奢ってくれ」
だるーんと俺に絡みついてきた。
むにむにとした感触……これは胸!
こいつ、小悪魔だ。
くせっ毛の髪からは女の子らしく良い香りがする。
「はっはー。先輩らしく買ってやろう」
「へへへ、ありがたい」
奢らされたが後悔は全くない。
「松永先輩は強いはずなのに、今日は随分と弱々しく感じるな」
「昨日の水上体育祭の疲れが残ってるんだな」
目聡く気付くか。
武蔵坊弁慶。普段のやる気のないような態度とは別で武人としては一流である。
「私達と戦うつもりがあるのだろう?」
名を挙げるにはそれもあるだろうが、今のところ先客がある。
「今んとこないね。先に倒さないといけない相手がいるもので」
「それは残念。どちらの松永先輩も戦うと面白そうだ。いずれ機会があれば手合わせしても良いよ」
「本気を出されると相当強い癖に軟弱な俺を買い被るなよ? 普通に負けるぞ」
「はは、どうだが」
買ってやったツマミを渡すと、弁慶はすっと離れた。
現金な奴め。
「では。ありがたくツマミを頂いて帰るとする。美味い川神水の為に」
「じゃあ、また明日な。飲み過ぎるなよ。身体を壊すぞ」
「ああ、程々に飲むとしておく」
ダメだろうな。
そう言うヤツだ。
弁慶は歩く。帰るつもりだろう。
だが、
「よっ、と。何のつもりだ? いきなり攻撃とは卑怯な……」
「なぁに。お礼のつもり。弱々しくなってるけど、鈍っているわけじゃないってね」
不意の杓丈の一振りを避けた。
だが、いつも以上にギリギリだった。
「今度やったらおっぱい揉むからな」
「松永先輩。やれるものならやってみな。私はそんなに安くないよ」
「奢ってやった時のアレは?」
「……帰ろう」
「おい! あの絡みつきは? ツマミの値段で言えば10
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