第5話
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4月15日――――
〜宿舎〜
「―――うん、これでよしっと。」
第U分校入学から2週間――――徐々に生活に慣れ始めていたユウナは登校前に鏡で髪の状態を自分が納得するまで直して頷いた。
「はあ………一緒に登校しようと思ったのに、起きたらいないし……」
同室のアルティナがいない事に溜息を吐いたユウナは気を取り直して自分が作っている机に飾っている家族全員が写った写真に近づいて写真を見つめた。
「お父さん、お母さん、ケンにナナも。行ってきます。―――今日も頑張ってくるね。………ああもう!エレボニア人には負けないんだから!」
日課である家族の写真に挨拶をしたユウナはふとかつての出来事――――クロスベル市内で窮地だった自分と妹達を助け、手を差し出したリィンとその後ろにいるセレーネ達を思い出した後すぐに我に返って自身に喝を入れた。
「ハアッ!セイッ!ハァァァァァッ――――斬!!ふう………」
一方その頃宿舎にある鍛錬場で日課である朝の鍛錬を終えたクルトはタオルで汗をふいた。
「―――キレは悪くない。あとは実戦あるのみか。……そう言えば呼吸がほとんど乱れていなかったな。」
自身の評価をしたクルトはオリエンテーションの時のリィンを思い出した。
「”八葉一刀流”―――流石だけど、父上達に比べたら聞いていた程じゃなさそうだ。……所詮は”騎神”と”異種族”頼みの英雄というだけか。後は”飛燕剣”の方だが……兄上達の話では”実戦”にならなければ、”主”達は呼ばないと聞くが……だったら、例え訓練とはいえ”実戦技術”の授業で鍛錬相手として呼んでくれないだろうか。」
リィンに対する評価や今後の事を考えたクルトは上着を着た後鍛錬場を出た。すると上から降りてきたユウナと鉢合わせをした。
「「あ…………」」
鉢合わせをした二人は一瞬呆けたがそれぞれ互いに近づいた。
「「おはよう、その――――」」
更に二人は同時に同じ事を言いかけたが、すぐに中断し、互いに気まずい表情をしていたがやがてクルトが先に口を開いた。
「――おはよう、ユウナ。君も登校か?」
「う、うん。クルト君も型稽古は終わり?毎日毎日、精が出るね。」
「まあ、幼い頃からの日課だから慣れっこではあるんだが……」
「「…………」」
二人の会話は続かず、お互い黙り込んだが今度はユウナが口を開いた。
「―――ああもう!あの時はゴメンなさい!」
「え………」
ユウナに突然謝罪されたクルトは何の事かわからず呆けた声を出した。
「その、平手打ちのこと!どう考えても不可抗力なのに、一方的にやっちゃって……!その後も態度悪かったし、大人気なさすぎっていうか
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