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ハイスクールD×D 聖なる槍と霊滅の刃
第二部 英雄たちの策動
死線
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気配をギリギリまで殺して、向こうの出方を窺う。位置まで含めてばれているのか、それとも当て推量で言ったのか。
……いや、当て推量はなさそう。猫耳の子がいる。きっと仙術でこっちをもう感知しているんだろうね。
なので諦めて、大人しく出ていくことにする。

「あなたは、英雄派の人間かしら?」

紅髪の女性―――リアス・グレモリーが問いかけてくる。
シトリー眷属からまだ連絡はいってないらしい。なら、あるいはチャンスを狙えるかも?
そう判断した私は、薄く微笑んで足を進めるだけに止める。殺気も何かもを消して、まるで長年の友人が近づくように、自然に。
予想外の行動だったのだろう。誰も、動こうとはしない。そのまま、近づいて。後ろ手に―――

「―――部長!」

視界に、赤い何かが映る。咄嗟に横へ飛んで、失敗を悟る。
赤い籠手を出現させた、同い年くらいの男の子の私を狙った拳打が空を切る。そのまま、こちらを向く彼に、後ろ手で引き抜いたナイフを投げつける。

「…残念」

やはり、楽に暗殺という手段は使わせてもらえないか。勝算が高くはなかったとはいえ、ちょっと悔しい。
グレモリー眷属のことは曹操からよく話されている。できれば、あまり闘いたくはない相手だけど、贅沢は言ってられないからね。改めて、腰に差しなおしていた刀を抜く。と同時に、突っ込んできた影が一つ。

「部長に手は出させん!」

斬り込んできたスピードから察するに『騎士(ナイト)』―――そしてグレモリー眷属には二人いる。一人は聖魔剣、もう一人は……

「デュランダル使い、か」

デュランダル。聖剣の中でも切れ味は最強だが、使い手の言うことを聞かないじゃじゃ馬で、必要以上の破壊を周囲に齎す危険極まりない剣。
まともに受ければその威力に押しつぶされる。だったら―――まともに受けなければいい(・・・・・・・・・・・・)
デュランダルをまともに受け止めるのではなく、その斬撃を受け流すことに徹する。一撃弾くごとにオーラの余波で工場が揺れる。……これ、このままいくと壊れるかな?
そんなことを考えていると、ヒュッと風切り音。上半身を反らして、一気に三歩分ほどの距離を飛び退く。

「聖魔剣……木場祐斗も来ちゃった…か」

さらにもう一度跳躍。光の槍が飛んでくるのを、刀で斬り払う。
そちらの方に視線を向けてみれば、背中に翼を生やした―――天使。なるほど、どうやらグレモリー眷属だけではなかったらしい。確か、ミカエルのA(エース)が懇意にしていたはず……
考えていると、突如として足場が大量の剣に覆われる。ジャンヌもよく使う手の足場破壊かな。
宙に投げ出された私に、後ろの赤い鎧からドウッ!と魔力弾が放たれてくる。

「……ッ!」

咄嗟の判断だった。刀身に蒼い
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