第二部 英雄たちの策動
死線
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オーラを纏わせる。
生命力を搾り取られるような感覚。それに耐えながら、刀を振るう。刀身が魔力弾に衝突し―――
パキン!と、ガラスが割れたかのような効果音とともに、魔力弾が壊れて消滅する。
スタンッと地に降り立った無傷の私に、グレモリー眷属の驚愕の視線が注がれる。
「――っ!イッセー君のドラゴンショットを……消した?」
「神器の能力か!?」
「油断ならないわね…」
……イッセー。兵藤一誠。なるほど、あの赤い鎧は赤龍帝だったのか。
こんなところで曹操よりも早く、二天龍に遭遇するなんて…知られたら無茶するなと怒られそう。
何よりスタミナがもうあまりない……一時的でいい、相手を無効化して、安心して逃げたいところだ。
「ギャスパー君!データは?」
「は、はいぃぃっ!で、出ないです!神器データが出ないですぅ!」
……まあ、神器じゃないしね。私の力は。
それはともかく。デュランダル使い、聖魔剣、赤龍帝、ミカエルのA、あとは確か、停止の邪眼と回復役と猫又と、雷光の巫女と滅びの魔力。これらを相手にして、勝算を算出しなきゃいけない。まあ、私が逃げれればそれで勝ちなんだけど。
迎撃の体制を整えると同時、魔力で作られたであろう氷の槍が飛んでくる。ひょいっと躱した先には、神速で踏み込んでくる木場祐斗の姿が。
目の前で聖魔剣を受け止め、刀身同士がかみ合って火花が散る。刀身を弾き飛ばし、薙ぎ払い、受け止められ、反撃の突きを避ける。上段から斬り下ろし、下段から斬り上げ、突きも交え、それを弾く。『騎士』の特性を存分に生かした高速の斬撃を、『眼』をフル活用して初動を読み切ることで拮抗させる。
一度得物を弾き合って距離をとる。
「…凄まじい剣士だ。英雄派の中でも、かなり上位なんじゃないかな」
「……さあ」
正直、英雄派の中で何番目とか考える気はない。私は曹操の傍にいられれば、それでいいのだから。
息を整える間もなく、飛び退く。振り下ろされたデュランダルが地面にクレーターを作る。
威力は相変わらず桁違いだが――木場祐斗よりは初動が読みやすい。これなら、上手くやれば――
「…こうも避けられるとは。私のデュランダルはわかりやすいのか?」
「ゼノヴィア、退いて!」
飛んできた光の槍を万霊殺しの力を上乗せした刀身で斬り払う。立て続けに投擲された光の槍を弾き飛ばし、相殺させる。
が。一本だけ弾きそこなったか、僅かに腕に掠る。血が滴り眉をひそめるが、動きに支障はないことを確認する。動けば問題ない。
「イッセー!ドラゴンショットで牽制しなさい!小猫は朱乃の護衛、ゼノヴィアたちはオーラと槍で牽制しながら、隙を見て斬り込んで頂
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