暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 聖なる槍と霊滅の刃
第二部 英雄たちの策動
遭遇戦
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
一足飛びに女性のほうへ飛び込む。すかさずラインが繋げられるが、これも想定内。何かしかけられる前に、女性のほうを落とせばいい。
弧を描いた剣閃が少女に向かう―――

「っ!『追憶の鏡(ミラー・アリス)』」

刃が届く寸前、装飾の施された鏡が出現。これは、神器(セイクリッド・ギア)―――?
勢いの乗った刃が、鏡をやすやすと切り裂く。その瞬間。割れた鏡から、波動が。
―――やられた、カウンタータイプ!事前に話を聞いていたはずなのに……焦りが生んだ失策に臍を噛む。波動を受けた体の中で、痛みが弾ける。受けたダメージを上乗せして返すタイプ……厄介極まりない。返された衝撃によって体が悲鳴を上げるのを無視して、もう一撃―――!

「やらせるかよ!」

メキッ!と嫌な音がして、私の体が宙を舞う。視界の端で見えたため、咄嗟に拳の突き出される方向に飛んだが――それでも、少しダメージが入ってしまった。
ゴロゴロと二転して跳ね起きる。いい一発をもらってしまったが、体はまだ大丈夫だ。内臓へのダメージもない。その代わり、体をかばった腕に痛みが走る。先ほど返された衝撃もあるけど、まだ動ける。

「くっ―――!」

「先輩!!」

女性が苦痛に顔をゆがませながら崩れ落ちる。浅かったとはいえ、万霊殺しの霊刃(カース・オブリビオン)に切られた傷は、悪魔であろうと天使であろうと、神器(セイクリッド・ギア)であろうとも、呪毒のように相手の体を蝕む。その濃密すぎる呪いは、魔力や光力を呪い殺す(・・)ことができるほどだ。魔力などで援護しようとすれば、さらに苦痛は増す。これで、あの女性は無力化できたはず。
あとは、ヴリトラだけど。こちらは接近戦で私の間合いに持ち込める分、やりやすくはある。そう思っていると。
突然、地面が揺れる。カンに任せて、咄嗟に大地を蹴ると―――降ってきたのは、コンクリートの塊。
見れば先ほど私が避け、ラインがくっついていた地面がめくれ上がっていた。
なるほど、私を引っ張ることができたならそれ以外のものだってくっつけちゃえば引っ張れるよね。そこは盲点だった。
引き剥がされたコンクリートの雨が降ってくる。当たってもあまり威力はなさそうだけど、厄介なことになるかもしれない。何より、これ以上のダメージは避けたほうがいい。
そう判断して駆け出す。狙うは、触手を操っているヴリトラ。
向こうもそれはわかっているようで、拳を打ち出してくる。悪魔の膂力も合わさっているから、威力は十分。スピードも申し分ない。きっと、凄絶な修行をこなしてきたんだろう。
その拳を躱して、腕を狙って斬り上げる。その軌道をそらすように、刀身に拳が合わせられる。逸れた斬撃がラインを切り飛ばすが、それだけ。お返しの様に叩き込まれる蹴りを、咄嗟に飛びのいて距離をとる。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ