第二部 英雄たちの策動
英雄派
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感じる。
「実験の邪魔だったらごめん、ゲオルク。新しく曹操が連れてきた、レオナルド」
「ああ、例の魔獣創造か」
「レオナルド、この人はゲオルク。魔法を使えていろいろ便利な人だよ」
「……もっと言いようはないのか」
小難しいことを言ってもレオナルドが理解できるか怪しいから、簡単に説明してるんだけど……うーん、ジークやヘラクレスも怒ってたし、ダメなんだろうか?
ゲオルク。幹部の1人で、伝説の悪魔メフィスト・フェレスと契約したゲオルク・ファウスト博士の子孫。上位神滅具の一つ「絶霧」を所有しており、同時に様々な魔法を使いこなす上位の魔法使い。私の事は基本的に信用していない。
「とりあえず、実験の邪魔をする気はないからもう行くね」
ゲオルクの返答を聞かずにレオナルドを連れて歩く。
残念ながら、ゲオルクともあまり相性はよろしくない。私に対する値踏みするような視線と態度は、あの家を思い出すから――――
頭を振って一度、暗い記憶を追い払い進む。最後の一人、どこにいるのだろう?
しばらく探していると、目的の人物が何やら立ち話をしているのが見えた。
……あれ?曹操も一緒だ。
「曹操?ジャンヌも」
「あら、文姫じゃない。ってその子は?」
「ジャンヌ。彼が魔獣創造だ」
「名前はレオナルドだよ、曹操」
曹操の物言いに突っ込んで間を作り、レオナルドのほうにジャンヌが見えるようにする。
「この人はジャンヌ。剣でドラゴン作れるお姉さんだよ」
「……間違ってはないんだけど、もうちょっと言いようないかしら文姫?」
「ごめんなさい。レオナルドの覚えやすさを優先したら、これ以外にいいのが見つからなくて…」
ジャンヌ。ジャンヌ・ダルクの魂を受け継ぐ女性で、あらゆる聖剣を作れる神器「聖剣創造」の所持者だ。曹操を除いたら唯一、私が禁手を見たことのある幹部だ。同性ということもあってかよく私に話しかけてくれるし、仲もいい。世間知らずの私に対しては「妹みたい」と言っていろいろ教えてくれる。
とりあえずこれで、幹部陣へのあいさつは済んだけど……そう思ってちらっと曹操のほうを見れば、分かったとでも言いたげな視線が返ってくる。
「さて、レオナルド。俺たちは君を歓迎しよう。少しばかり、実験もさせてもらうがいいだろうか」
レオナルドのほうを見ると、少し戸惑って私のほうを見上げていた。
私は少し膝を折って、目線を合わせる。このほうが安心するのだと、経験則で知っていた。
「大丈夫。あなたを傷つけるようなことはないから。私
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