暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 聖なる槍と霊滅の刃
第一部 出会い
流浪の二人 〜夏の出来事〜
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ればわかる、ここで勝負を賭ける気なのだと。
そこに、今現在出せる全力の一撃をねじ込む―――!
その結果は……



「……」

「……」

曹操の聖槍が四織の心臓を正確に捉え、その体の寸前で止まり
四織の刀が曹操の頸動脈を切り裂く数ミリ前で止められている。
双方とも相手の急所に武器を向けたままの状態で、微動だにしない。
どちらからともなく、小さな吐息が零れる。それを合図に、互いに武器を下ろす。

「…引き分けだな」

「そうだね」



朝の手合わせ(と言う名の鍛錬)を終え、手早く朝食を摂る。
基本的にあてもなく旅をしているので、街に泊まることもあれば今日のように野宿をすることもある。
野宿をするときには近隣に魔物がいないとも限らないので、交代制でどちらかが見張りに立っている。
と言っても、曹操以外の気配がある程度近くに寄った瞬間四織は目を覚ますわけだが、用心に越したことはないということで。
朝食を食べ終わり、荷物の確認を行って今日は山へと分け入る。なんでも曹操曰くそこそこの霊山であるらしく、土地に根付く魔物の類がいても不思議はないという。

「…その割にはあっさり登れるけど」

「それは君が山歩きに慣れすぎているせいだ」

一緒に旅をし始めて分かったが、四織は基本的にサバイバル技術も一通り身に着けている。
本人曰く、泊りがけの仕事の時は野宿だったから自然と身についたとのことではあったが、それにしたってたくましすぎるというかなんというか。
ちなみに山歩きに関しては昔は修行の一環でやっていたらしい。
そんなこんなで霊山を踏破していく二人。道中襲ってくる弱い魔物を退けながら時には助け合って登り終え…

「…なんだか賑やかだね」

現在は町にたどり着いていた。時刻はそろそろ夕方、陽が沈もうと言う時分に差し掛かっている。
だというのに出歩いている人の数は多い。何人か着飾っている人もいて華やかな様相を呈している。

「…どうやら、今日はこの町で祭があるらしい」

「? 祭って?」

聞いたことのない言葉にキョトンと首を傾げる。

「…そうか。監禁されていた君はそもそも知らないか」

ふむと考え込む曹操。ちらっと四織のほうに視線を向けてみれば、興味深そうな視線を行きかう人々に向けている。

「………せっかくの機会だ。気になるなら、自分の目で見てくるといい」

とりあえず今日の宿は確保したので、少しくらいなら祭を見物させてもいいだろうと判断した曹操。
コクコクと頷く四織を残して踵を返そうとした曹操。あとで迎えに来ればいいかと思ったのだが、その服を引っ張る感触が。
何かあったのだろうかと振り返ると、無表情なのに随分と感情を映す瞳が自分を見つめている。

「―――
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ