第一部 出会い
始まりの日
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だろう?ならば、いつ関係のある者に出会うかわからない……その時に、君が『鈴科』だと名乗るとまずいことになるんじゃないかと思ってね」
「……まずないとは思うけど、可能性は0じゃないかも」
基本的に家の中に軟禁されていた四織のことを外部の人間が知っていることはないだろうが…鈴科家は様々なところにパイプを持っていたため、ひょんなところで噂を聞いている人はいるかもしれない。
「だから、君の名字を変えるのはどうだろう?君の名前の響き自体はよくあるものだし」
「別にいいよ……こだわりはないから、そっちで決めてほしい」
曹操の提案に素直に頷く。自分の事情で迷惑をかけるのは、さすがに申し訳ない。
「…季風、などどうだろうか?名前との響きがあっていていいと思うが…」
四織の微かな困惑にかまわず、しばし思案していた曹操が一つの案を出す。
「季風…ときかぜ…………うん、いいよ」
何度も噛みしめるように呟く。新しい自分の名前を。彼が自分にくれた名前を。
「…じゃあ、今日から私は…季風四織………だね」
「ああ、そうだな。とりあえず、これを食べ終わったらこの町から出るとしよう」
「うん」
その後、町から出ていく人の群れの中に少年と少女の姿があった。
「……そういえば、君の年はいくつだ?」
「? 13だけど?」
「……………もっと年下かと思っていた」
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