第一部 出会い
始まりの日
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う気もなかった。しいて言うなら、いざというときの動きやすさくらいしか服に求めていない。
「…さて、じゃあ君の話を聞こうかな」
「…あなたの目的も、話してもらう」
朝食を食べながらお互いに質問したいことを聞いていく。
「…つまり。あなたも私の力を求めて連れ出したってこと?」
「まあ、そうだな。と言っても、使いたいというのは二の次で一番の目的は『調べてみたい』だが」
「そう」
「それには君をあの家から連れ出す必要があった。だから潜入したということだ」
朝食を食べながら、まずは曹操が四織を連れ出した理由についての質問をしていた。
もうすでに終わったことではあるが、目的を知っておくのは悪いことではないと四織から質問を始めた。
「さて、次はこちらからの質問だ。君の力は神器によるものか?」
「違う。あの人たちもそう考えていたけれど、私の体にも魂にも、そんなものはない」
神器。「聖書の神」が作った不思議な能力を所持者へ与えるシステム。先天的に人間、もしくは人間の血を引く者に宿る。歴史上の偉人の多くが神器所有者とされている。
だが、『今の』四織の力はそれに該当しない。全く異質な「異能」なのだ。
「君自身は、自分の力がどういうものか把握はしているのか?」
「…感覚としてはわかる。口で説明しろと言われると困る」
実際、四織自身は自分の力に特に興味もない。ただ、生き残るために必要だからつかってきただけだ。
「君の力は何ができるんだ?」
「異能や悪魔の力を無にする。纏って攻撃すれば悪魔の肉体を滅ぼすこともできる」
魔法使いの使う魔法であろうとも、神器所有者の神器の力であろうと、悪魔の魔力であろうと。
その全ての輝きを奪い、無へと還す。それが四織の持つ力―――“万霊殺し”である。
「…魔力も悪魔の肉体も諸共に滅ぼすことができるということは、魔力などの“力”というよりはむしろ“悪魔”の力の無力化か……?肉体も滅ぼすことができるというのは異質だが…」
ブツブツと呟きながら興味深そうな視線を向ける曹操。
「…やはり、君の力は面白い。俺としてはぜひ解明したいものだが…一緒に来る気はないかい?」
「? そういう目的で連れ出したんでしょ?いまさら聞く意味が分からないけど…」
四織としては曹操の手を取った時点でついていくのは「決定事項」だ。
いまさらどうこう言う気はないし、ここで放り出されると逆に困る。それに、自分をあの地獄のような環境から連れ出してくれた曹操に恩返しをしたい気持ちもある。
「…そうか。ああ、そうだ」
「?」
「君の家はかなりいろいろなところに繋がりを持っていたの
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