第六章 水上体育祭午前の部
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「3年生の水上借り物競争が始まりましたよー! 皆さん応援しましょう」
2-Fクラス委員長の甘粕真与《あまかす まよ》がクラスメイトに知らせる。
学年は違うが後輩であるので先輩の活躍を応援するのが彼女に取って当たり前の事なのだ。
「きゃー。松永先輩頑張ってー」
そう叫ぶのは小笠原千花《おがさわら ちか》だ。
「3-Fに新たに現れたイケメン、というか可愛い先輩を応援しなさい!」
「これだからスイーツは……」
ミーハーな彼女だが、松永久秀を応援する後輩は彼女以外にも多く存在した。
「かっこ可愛い松永先輩がんばれー」
「男でも、尻のラインは、抜群だ」
「何で俳句調?!」
レース出場者である松永久秀に注目が集まる。
彼が向かうのは、2-Sであった。
借り物競争と同じルールである水上借り物競争で彼が引いたお題は、
「名前の中に、"よ"が付く生徒。力を貸してくれ。って、義経さんがいた!」
「? 義経で良ければ力を貸すぞ」
源義経。お題を引いた時から彼は彼女を狙っていた。
「よし、行くぞ。これで勝つる」
源義経の手を握って走る。
「おお! 足の速さに義経は驚愕した」
それでもきっちりと付いてくるあたり、さすがは源義経だ。
しかし、
「げ、葉桜清楚さんが怒涛の追い上げを!」
残り40メートル先のゴール地点で後ろから物凄い勢いで追いかけてくる葉桜清楚がいた。
「待って〜」
文学少女とはかけ離れた足運び、それに足の速さ。
只者ではないと感じてはいたが、身体能力は相当高いらしい。
それでも、15メートルは離れている。
「義経さん。もっと早く走れるな?」
「ああ。義経は頑張ってみる!」
俺と並んで源義経は加速する。
葉桜清楚は俺達に5メートルくらいまで迫っていたが、その距離を埋める前に、ゴールできた。
「ゴール!」
源義経に感謝だ。
「いやー、助かった。義経さんじゃなかったら追い越されていたかもしれん」
「松永久秀。義経は驚いたぞ。足が早いんだな。義経ももっと鍛えないと……」
「久秀、戦利品として源義経を連れてきたか。可愛い子大歓迎だ」
「負けちゃった。すんごい加速だったね」
川神百代、源義経、葉桜清楚と美少女が集まってしまった。
「いや、葉桜清楚さんもすごかったですよ。呼吸も乱れてないし」
「清楚で良いよ。同い年だしね。久秀君」
葉桜清楚や、源義経達とはある程度認識がある。
何せ有名人だから、松永納豆を事あるごとに渡していた。
「そうかい。清楚は意外と身体能力が高いね」
「うん。普段鍛えてるからね」
「義経達はある程度強くないといけないから鍛えているんだ」
「おい。私を無
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