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とある3年4組の卑怯者
72 強敵(いちくみ)
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 男子サッカー、4組対1組の試合が始まった。

  4組
 FW(フォワード)
 杉山、ケン太、三沢、内藤
 MF(ミッドフィルダー)
 ナベちゃん、関口、花輪
 DF(ディフェンダー)
 ブー太郎、永沢、山根
 GK(ゴールキーパー)
 藤木

 1組
 FW(フォワード)
 本郷、高原(たかはら)中山(なかやま)
 MF(ミッドフィルダー)
 戸田(とだ)明神(みょうじん)市川(いちかわ)稲本(いなもと)
 DF(ディフェンダー)
 中田(なかた)森岡(もりおか)松田(まつだ)
 GK(ゴールキーパー)
 楢崎(ならさき)

 4組は3-3-4と攻撃重視のフォーメーションで組んだ。

 最初は1組のキックオフとなった。本郷がボールを蹴りだした。フォワードが先攻し、ミッドフィルダーも後についで攻めていく。藤木はこの1組の威圧感に押されているような感覚だった。花輪が本郷をマークするも、本郷は中山にパスした。ブー太郎のカットも間に合わず、中山はボールを受け取り、シュートした。藤木は必死にボールを取った。何とか先制を許さなかった。
「花輪クン、行くぞ!」
 藤木は花輪に向けてボールを投げた。花輪は見事に受け取るが、明神と稲本がその場にいる。このままではドリブルできないと見て、花輪はケン太にロングパスをした。その時、本郷と高原、市川がボールを奪いに来た。
「ケン太君、三沢君にパスするんだ!」
 藤木はケン太にマークのない三沢にパスするよう呼びかけた。三沢がボールを受け取り、ドリブルするが、ペナルティエリアに入った所で森岡のスライディングタックルでボールを奪われてしまった。そのボールを松田が取り、稲本、高原へとパスした。
「永沢君、山根君!高原君を通すな!富田君、本郷君をマークしろ!!」
 藤木は必死で叫んだ。高原は永沢と山根に通せんぼされ、本郷もブー太郎にマークされる。高原は後ろへバックパスした。戸田がボールを貰い、ドリブルした。そしてその戸田がシュートしようとした。藤木は止めようと必死になった。しかし、藤木すぐ傍に中山がいた。中山が戸田のシュートをアシストすべく、ヘディングしたのだ。藤木は意表を突かれた。そして、体の向きを変えた。しかし、取れなかった。ボールはゴールに刺さった。藤木は始めて失点してしまったのだ。
「そ、そんな・・・」
 藤木は落ち込んだ。しかし、応援に回っている大野が叫んだ。
「藤木!落ち込むな!まだ始まったばかりだ!!」
(大野君・・・。そうだ、取られたからってまだ終わりじゃないんだ!よし!!)
 藤木は立ち直った。そしてもうこれ以上はやらんという気になった。
 
 しかし、相手も揺るぎない攻守である。巧みにパスをして、ゴールを狙おうとし、仮
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