第33話 日英欧州談話「踊るロンドン会議」幕開 ターン31
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それに耳も早い。まあ惑星パリ経由の量子通信が漏れるのは分かっていた。
スパイ映画で有名な秘密情報部 (MI6)の存在は掴んでいないが、
いずれにせよ諜報組織はあるだろうし007がいても不思議じゃない。
普段は部下に任せている猫平宰相が忙しいのは元寇の対応。
そして卿でなく子爵か……、
僕が子爵位を持つ本家当主となっているのは把握してるってことだ。
防諜戦で負けてるつもりはないんだけど、それくらいは当然か。
「元寇の襲来のことでしたらご心配なく。
交渉が終わる前には何事も無かったかのように鎮圧されているでしょう」
「名将と知られる軍No3の軍令部総長が抜けて厳しいかと思われますが?」
「いえいえ。帝国海軍は東郷長官さえ健在であれば問題なく機能します」
「なるほど、ジェネラル・トーゴーですか。随分と信頼されていますね」
「はい。太平洋艦隊はエイリスでの知名度は今一つでしょう。
日本では対ガメリカ戦線こそが本命と考えていますので最高の将を当てています」
「東洋のビスマルクにそれほど高く評価される上官とは……興味がありますね」
外交交渉は公式・非公式で対話を重ねながら互いの妥協点を探っていく。
公式の場で「本音をぶっちゃけたやり取り」をすることはできない。
挨拶、晩餐、懇談など非公式の私的な雑談の場でさえ牽制しながら情報を集めていく。
情報というカードはトランプのゲームと同じで、
出し方や受け取り方で「弱み」にも「強み」にもなるからだ。
全てのカードをオープンして、どうぞご自由にというのは外交とはいえないだろう。
スポーツに例えるなら野球の試合のようなやり取りだ。
相手が球(情報)を投げて、こちらが打ち(反応を)返す。
それを相手がキャッチ(受け取って)して攻守が交代する。
球(情報)だってストレートを投げたり、カーブなどの変化球を織り交ぜたりする。
1回では決着はつかない互いに点を取り合いながら進めていく……。
外交はコールドゲームを狙う必要はない。
10-9とか9-10とか互いに惜しかったと勝負の後に双方が認め合うような決着が理想だ。
さてロンドンに辿り着けばプレイボールだ。腹を括る必要があるだろう。
――――エイリス首都ロンドン、時計塔 停戦交渉開始]日目――――
野球をプレイしにロンドンにやって来たが、
目の前では猥雑な言葉が飛び交う英国式フットボールの試合が展開されている。
どうして……こうなった?
「伏見卿はガメリカ人レポーターのリーザ・リットンの記事の件は聞いてるのかね?」
はい。秋山総参謀から報告を受けてお
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