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真剣で納豆な松永兄妹
第三章 最近の策士は強くもある
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「この宣伝放送、百代は松永をとても気に入ってるようですネ」
「武で認めた者が同世代の学友で2人もできなのじゃ。嬉しいじゃろうて」

川神鉄心は松永兄妹から受けた合同稽古を受けるつもりでいる。
基礎訓練だけなら他の流派とも時々行うし、川神流としても刺激になると思っているからだ。

「では松永兄妹から申し込まれている川神との合同稽古はOKをしてもいいですか?」
「基礎訓練だけなら他の流派ともやるし問題ないわい。それにモモも喜ぶじゃろう」

川神百代の相手を出来る強者は少ない。
まともに相手ができるとなると四天王クラスになる。
ここに来て川神百代の相手が出来たのは鉄心に取って好都合だと考えたのだ。
しかし、

「ただのぉ。どーも何かひっかかるんじゃ」
「と言いますト?」
「久秀君には用心した方がええ気がするぞい。燕ちゃんは純粋にモモの友人として稽古に参加したがっているように見えるが……」
「見えるガ?」
「何か、巨大なうねりを感じるんじゃ……、漁師が平穏な海を見て、今日は時化るな……という感覚に似ているかのぅ」

鉄心は松永久秀を一目見てそう感じだのだ。
乱世の梟雄――鉄心の頭の中でこの言葉が思い浮かんだ。
もしかしたら、巨大なうねりは乱世への突入なのかもしれないと余計な事まで考え始めていた。



川神百代に気に入られるのに必要な事は簡単である。
強い。
ただそれだけで良い。
彼女との稽古ではバレないように適切な手加減をする。
稽古を行う度に、徐々に手強くなっていく。
程良く、まだ実力がある事を気付かせる、その上でそれを使わずに手強くなっていく事により彼女に煩わしいという感情を常に植えつける。
痒い所に手が届かない感覚がしばらく続いて、ストレスが溜まる。
ストレス解消先である、彼女の舎弟や仲間はストレスを与えてくる人物の話ばかりしたり、気持ちが傾いていればますます川神百代は罠に足を沈めていく事になる。
人の気持ちや、感情を使うのは良くないが、その怒りの先は俺に集まれば良い。
名前の通り、松永久秀は裏切る。
謀略だろうが、裏切りだろうが、勝てば官軍負ければ賊軍だ。
特に川神市では武士の末裔が多い。
勝った方が、正しい。その考えを肯定してくれる人も多いだろう。



乱世の梟雄
配点:(松永久秀)







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