第一章 燕ちゃんじゃなくて俺かよ
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いた手を素直に放してくれた。
「聞いたことがあるで候。西に武具を器用に使いこなす兵《ツワモノ》がいると。それが確か、松永」
「ゲイル兄さんは彼女に倒されたんだ。そして、太陽の子メッシは彼に倒された」
「それがどうして川神へ?」
川神百代が問うてきた。
「おとんの仕事の都合。川神学園を選んだのは賑やかで面白だから。源義経とかいるしな」
「なるほど、分かりやすいな。では、川神の流儀でお前を歓迎してやろう。決闘だ」
「俺? 燕ちゃんじゃなくて?」
「ああ、そうだ。貴様だ。私には分かるぞ。松永久秀」
俺には分からん事が彼女には分かるようだ。
「あー、記録に残るような試合は勝手に承知できないんだ。家がうるさくてね」
「家がうるさい系なのか……」
「西は家名を大事にすると聞くで候」
「ホッ」
クラスメイトの多くは安堵していた。しかし、打ち合わせ通り稽古として受ける。
打ち合わせでは燕ちゃんに川神百代が挑むと予想したのだが、外れた。よって今回の相手は俺だ。
「まあ、あくまで稽古って事なら受けても良い。やろうか」
「えええっ! 可愛い顔して大胆!」
「――ははは! そうだな。これは歓迎稽古だ!」
「生半可な覚悟で戦える相手じゃないで候」
「私の兄ちゃんを心配してくれてありがとー。でも大丈夫だよー。あくまで稽古だもんね。百代ちゃん」
「うんうん、さぁグラウンドへ行こう!」
川神百代のうれしそうな顔。
なんだろう。笑っている顔は可愛いと思った。
●
3-Fの皆がゾロゾロと校庭についてきた。
校庭にいた教員にゲイツ先生がレクリエーションだと説明する。
「レクリエーションね。ではワタシが立ち会おう」
この人、結構強いな。久秀はルーの強さを感じ取っていた。
ルーも燕と久秀を一目見て、相当強いと見切っていた。
どちらが戦ってもあくまで稽古なら大丈夫だとルーは思った。
そして、稽古の域を超えそうになった場合自分が立ち会えば何とかなると彼はそう判断した。
「武器のレプリカをありったけ集めてきたで候」
メガネの候が語尾につく子、矢場弓子だと軽く紹介された娘だ。
矢場さんには悪いが、俺は武器を使えるが、燕ちゃん程上手く使えるわけじゃない。
「久秀、好きな武器を選んでくれ。私は拳だ」
「矢場さんには悪いが俺は武器も使えるけど、せっかくだから俺もこれで行こうと思う」
「川神さん相手に素手で候!?」
矢場さんに、己の拳を見せた。
「おっ! そっちも素手か! よーし早速はじめよう!」
●
松永久秀。
松永燕。
武神の好みはどちらか
配点:(強い方)
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