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真剣で納豆な松永兄妹
プロローグ
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京都某所。
各所に存在する「決闘の地」は観光客でごった返ししていた。

「カラカル・ゲイル……表世界の全米格闘王者だけど……燕ちゃん1人でいけるよね?」
「もっちろん。兄ちゃんは別の格闘技王者担当だしね!」
「この対決、見届けて頂きます。松永様」

九鬼家の従者、桐山鯉《きりやま こい》に松永と呼ばれた人物は2人。
1人は、松永燕《まつなが つばめ》。もう1人は燕の親である松永久信《まつなが ひさのぶ》だ。
カラカル・ゲイルを蹴り技一撃で仕留める様を桐山鯉は見届けて強さを評価する。
一方、松永燕の双子の兄である方の強さの評価は別の九鬼家の従者がしていたのだった。

「松永久秀《まつなが ひさひで》様の方も片付きました。問題なしです」

桐山鯉は感心する。
松永久秀といえば、歴史上の人物だ。
破天荒な記録の多い松永久秀の名をそのまま受け継いでいる現代の松永久秀はどうやら強さにおいても曲者だったらしい。
対峙した時、強さを全く感じなかったのが曲者らしいと桐山は思ったのだ。
……兄妹揃って一撃で相手を倒した辺り仲良しなのですね。
川神百代の相手をするのは兄か、妹かどちらでも問題ないようですね。
これから忙しくなります。



「うぉおお。燕ちゃん、川神の学生服も似合ってるね!」
「あんがと。兄ちゃん。あと、暑苦しいから抱きつくな」

松永久秀。
松永燕の双子の兄は、重度のシスコンだった。

「クンカクンカ、良い匂い」
「やだ……、兄ちゃん変態!」

燕は抱きつき状態から肘打ちを打ったのだが、

「はは、遠慮も、容赦もないね」

軽く躱されたのだった。

「兄ちゃん、無駄に強いからムカつく」
「無駄って。そんな風に育てた覚えはお兄ちゃんにはありません」
「育てられた覚えなんてないよー。はあ、手のかかる男が2人……」

さり気なく久秀は胸を触ろうとするが、燕は軽くその手を弾いた。
触れようとする、弾く。
その攻防が続く。
これが仲の良い松永兄妹のスキンシップである。

「何やってんだあの子達、手が見えないぞ!?」
「松永兄妹のスキンシップさ。もはや名物だね。気にしたらダメだぞ、観光客」
「噂じゃ力の兄、技の妹らしい。どこの改造ヒーローだよってツッコミは誰でも思うことだからな」

観光客、地元の人間がそれぞれ松永の噂を話し始める。
松永納豆を広まる地元の若人を地元民は誇らしく思っていた。

「双子だけあって、顔似てるますねぇ。お兄さんの方、可愛いなー」
「妹が納豆アイドルだし、兄も妹と一緒にポスター写ってるのもあるよ。ポスター1枚1000円ね。松永納豆もセットでいかがっすか?」
「双子の兄妹アイドルかー。珍しいな」
「それも売りの一つですって。
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