9. あなたに気持ちを届けたくて
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!? みんなして!!?」
周囲に埃を撒き散らし、三人プラス二人の重犯罪人は、天井の大穴の下でうずくまる。ロドニーさんと赤城さんはキレイな髪がホコリまみれだし、ソラールさんのお日様もほこりまみれでくすんでる。でも、僕と鳳翔さんを覗き見られていたという事実は変わらない。僕の心が、ふつふつと湧いてきた怒りに、少しずつ支配されてきていた。
「なにやってるんですかみんなして!!?」
「い、いやあの……落ち着け普賢院智久……」
「さっきは僕を勇気づけてくれたのにッ!! すごくロドニーさんに感謝してるのにッ!!」
「大丈夫だ普賢院智久。キリッ」
「さっきのセリフを台無しにしないで下さいッ!! ソラールさんも!! ホコリでお日様くすんじゃってるじゃないですかッ!!」
「さすがだ普賢院智久。俺の太陽の心配をしてくれるとは。キリッ」
「うまく話をそらそうとしてもダメですっ!!」
こんな具合で、合計五人ののぞき見犯たちに説教を食らわせる僕。大体、告白の場をみんなで覗き見るって、一体どんな性根の持ち主なんだよッ!!
「うがーッ!!」
「お、落ち着いて下さい普賢院さん」
「落ち着いてられませんッ!! どう落ち着けと言うんですか赤城さんッ!!」
その後、僕は告白を覗いていた五人を正座させ、随分と長い時間、説教をしていたわけだけど……
「まったく……気になったら覗いてもいいんですかっ」
「も、申し訳ない……」
「赤城さんもこの中では一番の常識人なんだから、みんなを止めて下さいよっ」
「す、すみません……」
「ソラールさんも、僕の演奏が気になるんなら、言ってくれればいいじゃないですかっ。お日様に申し訳ないと思わないんですかっ」
「す、すまん……」
「妖精さんと天龍二世さんのお二人もですよっ」
「コ、コワイカ……ガクガクブルブル」
その間、僕の後ろで、鳳翔さんは、ずっとクスクス笑っていた。ぷんすか怒る僕の後ろ姿を、ずっと眺めながら、楽しそうにクスクスと微笑んでいた。
「えーっと……鳳翔さん」
「はい? クスクス……」
「なんでそんなに、楽しそうなんですか?」
あまりに楽しそうにクスクスと笑う鳳翔さんが気になって、僕は一度怒りを沈め、振り返って鳳翔さんを問いただしてみたのだが……
「えーっと……」
「はい……」
「智久さんって、そんな風にぷんすか怒るんだなーと思って」
「へ……」
「すみません……でもなんだか新鮮で。ぷんすか怒る智久さんって、なんだかカワイイなーと思ってしまいまして……」
「う……」
予想外の鳳翔さんの返答……僕の頭から怒気を抜いて、顔を真っ赤にするのに、充分すぎる威力を持った一撃……ボンッ!!
「あぅ……」
途端に僕の頭から怒気が抜け、顔中が
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