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とある3年4組の卑怯者
71 連携(チームプレー)
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に詰め寄られたが、その次は南江のスパイクがコート外に出たため、サーブ権を取り返した。
 試合に出ている6人は楽しみながらプレーし、コートの外から応援する他の女子も声援を送る。皆が主役のように前田は考えた。
 とどめはリリィのスパイクで決めた。16-13、4組のストレート勝ちとなった。皆は手でタッチし合いながら勝利を喜んだ。

「前田さん」
 リリィが前田を呼んだ。
「え?」
「どう?これが連携行為(チームプレー)よ。怒る事が全てじゃないのよ」
「うん、そうだったね・・・!私も分かったよ・・・!失敗したり、上手くいかなければ怒ればいいってわけじゃないって・・・!!」
「じゃあ、最後の5組との試合も応援してくれるかしら!」
「うん!今度こそ怒らないで応援するよ!!」
 前田は固く誓った。

 藤木はケン太や大野、杉山のシュートを受け止める練習を必死でやっていた。
「はあ、はあ、はあ・・・」
「藤木、お前少し休んだほうがいいぜ!んな状態じゃ持たねえぞ!」
 大野が心配して言った。
「そ、そうだね・・・。でも、やっぱり気を抜くと勝てないんじゃ・・・」
「そんなことないよ!無理しないことも必要だよ!だから試合まで気持ちを落ち着かせろよ!」
 ケン太も藤木に休憩を促した。
「うん、ありがとう」
 藤木は休憩した。そしてこれまでの試合で必要だと感じた事を思い出した。

 まず2組との試合では、堀内のような自分の事しか考えないプレーではチームの輪を乱す事になるため勝てない事、5組との試合は、お互いに息を合わせたチームプレーいわゆる全員で戦うことが必要である事、そして3組との試合ではキーパーや試合に出ない選手も見ているだけではなく、指示や注意するべき所を教える事・・・。

 藤木はそれらの事を記憶に留めて1組との試合に臨む事を決めた。
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