0256話『長波の喜び』
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先日に大本営から送られてきた電文で大体の改二になる艦娘の候補が分かったのでその対象者を執務室に呼ぶ事にした。
電話で呼んだ後に、
「しかし、この時期に改二改装案が来るとは大本営も突拍子もないよな」
「そうですね。ですが艦隊強化に繋がるのですからいいと思いますよ」
《はい。榛名もいい事だと思います》
大淀と榛名とそんな話をしていると扉がノックされたので来たのだろうと思って、
「入っていいよ」
『あいよー!』
少し軽い調子の声が聞こえてきて、次いで中に入ってきたのは夕雲型四番艦の長波だった。
長波は笑みを浮かべながら、
「それで提督。このあたしになんの用だい……?」
「そうだな。もううわさは聞いていると思うけど夕雲型に改二改装案が来ているのは知っているな?」
「おう!……って、おいおいまさか!」
長波は軽快に返事をした後に今回呼ばれたことに対して感づいたのか驚きの表情をする。
気づいたのだろうな。今回改二になるのは誰なのかを。
「そう。そのまさかだよ。長波、今回改二になるのは君が一番近しいと思う」
「まさか! ほ、本当なのか!?」
まだ信じられないのだろう疑いながら聞いてくる長波に私は大淀に話を振って電文の内容を教えることにした。
「大淀、頼んだ」
「わかりました。長波さん、今回の電文でこう書かれていました。
『主力駆逐艦として建造されながら、厳しい戦局下に次々と斃れていった姉妹たち。その中でも奮戦を続け、最期はレイテ島近くで眠りについた、ある名駆逐艦の改二改装を実装予定です』と……」
「マジか……島風とか言うオチはないよな?」
「ここまできてそれはないだろう」
「はい。ですから長波さん、素直になりましょうか」
それで先ほどまで疑心暗鬼だった長波もようやく諦めたのだろう、溜息を吐きながら、
「わかーったよ。もうあたしって事なんだな?」
「そうだ。だからさっそく練度上げに行こうか」
「わかったぜ!」
さっそく乗り気になったのかニシシと笑みを浮かべながらそう返事をしてくる長波。
「それにしても……」
「ん? どうした?」
「いや、なんていうかあたしに改二が来るのは嬉しいんだけど、清霜に悪いなぁって思ってな」
「あぁ……それはわかる」
「確かに、清霜さんなら言いそうですね」
大淀とそれで笑いあう。
確かにすぐに「戦艦になれるもん!」と駄々をこねる清霜の姿が連想できた。
私は笑みを浮かべながらも、
「まぁそこら辺はなんとか対応しておいてくれ」
「まぁわかったよ」
「それに素直に喜んでくれるかもしれないだろう?」
「ま、そだなー」
長波もなんだかんだで夕雲型のみんなには信頼されているからおそらく大丈夫だろうな。
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