47話 世界が動くとき。
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シャアは今度は静かに笑う。
「ックックック、ならどうする?ララァ」
メシアはゆっくりと近付き、シャアの目の前に立った。
「貴方と共に償います。この世界の外側で」
メシアはシャアに触れると、凄まじい力の奔流が2人を取り囲んだ。シャアは周囲を見渡した。
「ほう、ララァ、君の力だね」
「そう、貴方が貴方である為。それを願い届ける力よ」
「成程。君が世界を調和する立場のものか。サイアムから聞いていた」
メシアはシャアの話を無視してシャアに力を注ごうとした。
シャアは立ち上がり、ララァの手を掴んだ。
「そうはやらせんよ。私には世界の意思を伝える役目がある」
メシアはシャアを睨んだ。シャアの掴んだ手から光がシャアを包み込んでいく。
「貴方のするべきことはしてはならないことです。その為に私がいて、あなたを止めます」
メシアから放つ光に強さが増す。シャアがその光を忌み嫌うよう後ろへたじろぐ。
「う・・・うおおおおおおおおおおお・・・・」
シャアが雄たけびを上げた。メシアはシャアが自分の力に抵抗できず苦しんでいることが分かった。
メシアはそのままシャアを光の中で消失させようとした。
「貴方が本来いるべき場所へ私が誘います。後でアムロと共に往きます」
シャアの存在が徐々に薄れてきていた。メシアは間に合ったと思った。自分の力が及ぶことに安堵していた。
が、シャアは左手を翳した途端、周囲が凪のような静けさに戻った。それにメシアは驚愕した。
「な、何故・・・」
「それは困るのだ。世界の総意は滅びにあるのだからな」
メシアはシャアの穢れが最早自分の及ぶ範囲を凌駕していたことに絶望を感じていた。
自分の力ではこれ以上、世界の均衡を保つことができないと。
「世界はバランスで出来ているとね。必ずや私のやることの反作用が出てくると。サイアムの予言だ。それがお前だった」
メシアは後ろに一歩下がる。
「力及ばずですか・・・」
シャアが笑みを浮かべた。
「そのようだな。だが、喜ばしいことだ。反作用で出てきたお前を凌駕する程の力が私にあることを。目的の達成は近い」
シャアがメシアの足元を見ると、メシアを囲うように円が足元に現れた。
「逝くがよい、ララァ」
メシアの足元から緑白い閃光が急流で立ち昇り、メシアを焼き尽くすようだった。
「ああああああああああああああああああああああ!!!!!」
メシアが咆哮を上げた。断末魔だった。シャアが額に手をやった。
「・・・まあ、賭けだったな。ゼウスというハードウェアの増幅が私の追い風となった。当初は充分私を浄化させる力を持ち合わせていたが、私がそれで上回っていた。最も」
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