第四十七話 引っ越しはローエングラム
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皇帝陛下と皇女殿下はにこやかに手を振り始めた。
100万人が広場に降り立つまで実に二時間以上かかったが、
その間皇帝陛下と皇女殿下はにこやかな笑みを絶やさずに見守り続けた。
その姿に感動する帰還兵達と現役の将兵達。
『皇帝陛下万歳、皇女殿下万歳』が響き渡る。
帰還兵100万が整列し終わると、皇帝陛下からのお言葉が述べられた。
『我が親愛なる臣民達よ、よく帰ってきた、
予は卿等の忠誠を決して忘れはしないそして卿等と卿等の家族を守ろう』
すでに兵達には家族がローエングラム領へ移転した事が知らされていた為、
安堵した声が聞こえ、社会秩序維持局に対する怒りが上がっていた。
皇帝陛下と皇女殿下が退席の後、
ケッセリング中将からは、家族のビデオメールがそれぞれにあるから、
名簿順に順次受け取るようにとの話があり皆喜んでいた。
傷病兵は速効で軍病院の特別病棟に入院し、
確りと守られたのである。
その他兵士は、その日から3日間は宇宙港の宿泊施設に泊まり、
3ヶ月の休暇と俘虜に成った時間分の俸給と一時金を受け取り、
希望する者から順次家族の待つローエングラム領移動して行ったのである。
大半の将兵は3日目にはローエングラム領へと旅だったのにもかかわらず、
一部将兵がオーディンに残る事を申告した、大半が身寄りのない兵達であった。
結局残った兵は205名であった。
その中に多数の諜報員が紛れ込んでいた。
同盟は帝国が劣悪遺伝子排除法により遺伝子研究がおざなりになっている事、
DNA鑑定を殆ど行われて居ないことで、
血液検査自体を余り気にしていなかったが、
テレーゼの知識によりDNA鑑定されてしまった為、
諜報員の大半が判明してしまったのである、その数95名。
それでも5名は元々帝国の兵士だった者が寝返った為にチェックに引っかからなかったのである。
しかし95名は監視を付けて泳がせることとしたのである。
何れ決定的な証拠とする為に。
帝国暦479年6月5日
■オーデイン ノイエ・サンスーシ 小部屋 テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム
俘虜達が帰還して慌ただしい日々も終わり今日は総括です。
何時ものようにケスラーが進行役です。
「陛下今回の帰還により多くの民が陛下のご威光のたまものと噂しております」
「そのようなものかの」
「まあ良いことをしたと思いましょう」
「帰還兵のうち傷病兵は軍病院の特別病棟に入院させ守っています」
「帰還兵の話を聞きますと、テレーゼ様のご指摘のように案の定、
叛徒共は救恤品の搾取を行っておりました、
手口は全く安物のワインと交換するモノ、数人で1本にするモノ、全く与えないモノなどが有りましたが
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