第四十七話 引っ越しはローエングラム
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序維持局の怖さを知っている為、確実にあり得ると震え上がっていた。
そして誰が帰還するのか、戦々恐々に家族達はおびえていたのである。
そして5月12日帰還兵のリストが公表されると、
喜ぶ者より不安がる者が増えていったのである。
帰還兵の家族や親族は毎日が不安になっていった、
人影が見えると身構えてしまうのである、
社会秩序維持局の局員では無いかと。
そんな中、帰還兵家族親族に接触する者が増えていった、
グリンメルスハウゼン旗下の特殊宅配便部隊である。
時間がかかるが、彼らは宅配便として帰還兵の無事と、
社会秩序維持局が狙っている事、
そしてそれを逃れる為に、ローエングラム領への移住を勧めてきたのである。
またその際に移住する場合のIDカードを作る為と称して少量の血液を貰う事も行った。
無論其れはDNA鑑定の為であった。
多くの家族親族は躊躇したが、ローエングラム領では十分な生活保障を受けられると聞くと、
好意的に考える者達が増えていったし、
家の廻りに怪しげな人物が蠢き始めるのをひしひしと感じていった為、
移住を行う気になる人々が多数出てきた。
決定的なのは、有る士官の家族が社会秩序維持局に捕らえられたという噂が流れた事であった。
此により殆どの家族親族が移住を行う事と成った。
実は社会秩序維持局もこの頃動き始めていたが、合法的にリストを手に入れれれず、
軍務省から手に入れたのは、実在しない偽リストで合った為、
全く動き損ねていたのである。
実は捕らえられた士官の家族と言うのは存在しておらず、只流された噂であった。
つまり家族の元にいた怪しい影は、殆どが勘違いかグリンメルスハウゼンの部下達だったのである。
社会秩序維持局が正式なリストを手に入れた6月には、
既に帰還兵の家族親族はローエングラム領へ引っ越しを終えた後であり、
全く手が出せない状態だったのである。
その後市井の噂で、皇帝陛下が社会秩序維持局が行おうとした陰謀を自ら潰し、
犠牲になりそうだった臣民を皇女殿下の領地のローエングラム領へ逃がしてくれたと、
その数400万人以上だと、其れを聞いて多くの臣民が皇帝陛下の慈悲を感じ始めていた。
帝国暦479年5月30日
■オーディン 宇宙艦隊第3宇宙港
この日オーディンの空は青空に澄んでいた、
帰還兵100万を乗せた輸送艦病院船が相次いで到着したのである。
皇帝陛下、皇女殿下ご臨席の中、
まずケルトリング中将がタラップから降りてくる。
そして、輸送艦病院船から次々と帰還兵が降りてくる、
当初は不安げな顔をした帰還兵達も、皇帝陛下、皇女殿下の姿を見ると、
明るくなり興奮したように『皇帝陛下万歳、皇女殿下万歳』と言い始めた。
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