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水の国の王は転生者
第四十三話 コルベール現る
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エスに仇討ちを仕掛けようとすれば、その時はそういう風に誘導した僕の責任で彼女を守るよ」

「う、ふふふ……いや、これは失礼しました。それでは愛の告白ですね」

「ん……そうか? そんなつもりは無いんだが」

「殿下、結婚したばかりだと言うのにそれではいけません」

「だから、そんなつもりは無いと言っているだろうに」

 ムスッと、眉間にしわを寄せた。

「そろそろ日も暮れてきたので、失礼させていただきます」

「そうか、また来て欲しい。ラザールも同類を見つけて嬉しそうだった」

「ありがとうございます。お言葉に甘えまして、これからも顔を出したいと思っています。魔法をもっと人々の役つことに使いたい。それが私の新しい人生のテーマなのですから」

「そうか、今度来たらアニエスに会わせようか?」

「それはご勘弁下さい。彼女も新しい人生をスタートさせたと聞きました。今更、顔を合わせても気まずいだけでしょう」

「そうか」

「では、失礼いたします」

 コルベールは礼をすると、学院から乗って来た馬に跨り夕日の中を駆けて行った。

「流石は元実験小隊隊長、馬が上手いな」

「ぶふっ!」

 門を守っていた衛兵が噴き出した。

(その程度の駄洒落で噴き出すなよな)

 何とも締まらない顔で、コルベールが去った方向を見続けた。

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