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ドリトル先生と春の花達
第十幕その十一

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「欧州のことを細かく学ぶとわかってくれるけれどね」
「少し学んだ位ですね」
「日本のそれと同じものだとね」
「誤解してしまいますね」
「無神論とは違うけれどね」
 日本にも神様はいますがその信仰のあり方が根本から違うのです。
「欧州はあらゆるものを神が司っていて」
「日本では違っていて」
「あらゆるものに神が存在している」
「それが日本ですね」
「一神と多神の違いだよ」
「そういうことですね」
「あらゆるものにそれぞれの神様がいる国だよ」
 それが日本だというのです。
「そして学問もだよ」
「それぞれの神様がいますか」
「仏様でもあるよ」
「学問の神様は天神様、菅原道真さんですね」
「うん、ただ一柱じゃないから」
 学問の神様もです。
「それこそあらゆる学問に神様がいるから」
「だから学問も別系統ごとでも」
「矛盾もしないんだ」
「そうしたこともわかってきました」 
 トミーはやっと、という感じで先生に応えました。
「そうしたことまでわかってやっとですね」
「日本が理解出来るね」
「それとキリスト教が絶対か」
「それもだね」
「それを絶対と考えますと」
「日本も理解出来なくてね」
「ひいては学問もですね」
 それ自体もなのです。
「間違えてしまいますね」
「何かを絶対とすると間違えるよ」
「そういうことですね」
「うん、では和歌会もね」
「絶対と思わないで」
「詠うよ、和歌の神様もいるし」
 あらゆるものに神様が存在しているのでこちらにも神様がいるのです。
「そのことも覚えていこうね」
「はい、それで和歌の神様は」
「何か沢山いるよ」
「一柱じゃなくて」
「学問の神様も一柱じゃないし」
 天神様だけでないというのです。
「和歌の神様もだよ、天神様も和歌の神様だしね」
「あの人もですか」
「うん、そうなんだ」
「学問の神様で祟り神で雷神で」
「そして和歌の神様でもあるんだ」
「天神様も凄いですね」
「こうして一つのことに沢山の司る神様がいてね」
 そのうえでとお話した先生でした。
「神様も幾つものことを司ったりしているんだ」
「日本の神道は凄いですね」
「それ自体が凄いね」
「全くです」
 トミーは心から思いました、そうしたこともお話してでした。いよいよ咲く桜達とそれからのことを待つのでした。
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