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とある3年4組の卑怯者
70 旧友
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シュートを決めた。4組が逆転した。そして今度は4組の陣地にボールが来る。鹿沼が茎本からボールを受け取ってシュートした。あと5秒となった。
(止めるぞ!!)
 藤木は横っ飛びでボールの方向へ向かった。必死でボールを弾いた。ゴールを許さなかった。ボールは外に出たところでホイッスルが鳴った。3-2で4組が勝ったのだ。
「やったぜ!」
「藤木、すげーぞ!!」
 皆が勝利を喜んだ。
「藤木、お前いい指示出したな!」
 杉山が藤木の指示を賞賛した。
「うん、キーパーってボール止めるだけじゃないって思ったんだ。3組は試合に出なくても皆に呼び掛けていたのを見てね」
「でも、キーパーは全体が見まわせるから他の選手に指示をする役目もあるんだ。藤木君、さすがいいキーパーだよ!!」
「ありがとう、ケン太君」
 藤木は大きな活躍ができて嬉しかった。
「おっしゃー!!次は待ちに待った給食だ!!」
 小杉は先ほどの空腹はどこへやら、物凄い勢いで教室へ走って行った、。

 給食の時間になった。各クラスそれぞれの教室に戻った。献立は牛乳にポークカレー、生野菜のサラダにコーンポタージュ、そしてヨーグルトだった。特に空腹で飢えそうな小杉は必死で食べ、カレーを4杯御代わりし、サラダやスープまで御代わりしていた。
「小杉君すごいわね」
 リリィは小杉のいつも以上の食い意地に驚いていた。
「そりゃそうさ。3組との試合で動けなくなって藤木君と交代したくらいなんだからね」
 永沢は嫌味を込めて言った。藤木は「そうなんだよ」と言って苦笑し、リリィもまた苦笑した。

 昼休みになり、リリィは外の空気を吸おうとしていた。長く体育館やにいたため、外に出たくなったのだ。その時、昇降口で友人と共にいる橿田ひろ子の姿を見た。
「あ、あの、すみません・・・」
 リリィは橿田らに声を掛けた。
「君は4組の人ね。何か用?」
「うん、たまちゃんの事なんだけど、たまちゃんとは友達なの?」
 橿田はたまえの名を聞いて唾を呑み込んだ。
「うん、幼稚園の頃はね、そうだったの。ここで話すのもなんだから、外に行こうよ」
「ええ」
 リリィは橿田とその友人と共に校庭のもぐら山に登って腰かけた。
「たまちゃんとは幼稚園にいた時の友達だったんだよ。でも学校に入って違うクラスになって話す機会が減って、一昨年の誕生日会に誘った時、クラスの友達と一緒に楽しもうと思ったけど、途中で抜け出しちゃって・・・。それからたまちゃんは私の事を避けるようになったんだ・・・」
「じゃあ、たまちゃんに対して4組(わたしたち)に負けないって言ったのは?」
「うん、私の事を避けているから、もう少し振り向いて欲しいって威嚇したんだ。それにたまちゃんは私を置いてさくらさんって人と仲良くなってるし、私を嫌っている
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