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DOREAM BASEBALL 〜ラブライブ〜
先取点
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まだったせいで・・・」
「そんなこと・・・」

顔は見えないが、背中から彼女がどんな表情をしているのかわかる。あんじゅはもし自分がキャッチャーに志願しなければ、結果は違っていたのかもしれないと後悔が頭を過る。

「何落ち込んでんのよ、2人とも」

何も話すことができない彼女たちの周りに集まってきたのは、同じように試合に挑んでいた仲間たち。それも、内野手だけではない。外野についている、英玲奈も含めた3人もやって来ていた。

「ツバサ、あんじゅ」

ライトからやって来た主将の英玲奈は2人に顔を上げさせると、スッと頭を下げた。

「すまない。私が捕れなかったからこんなことに」

自分が脳震盪を起こしてキャッチャーを下がってしまったから、力になれなかったことに謝罪する英玲奈。彼女は自分の謝罪を述べた後、頭を上げ全員の顔を見回す。

「この借りは必ず返す。次の回、私に回してくれ」

次の攻撃は7番から始まる。1人出れば1番の英玲奈に回ってくる。1発出れば同点となる。

「そのあとはツバサにもあんじゅにも回る。十分逆転できるだろ?」
「そうそう」
「3人で決めなくても、私たちで逆転だってできるし」

誰も敗北など考えていない。むしろ、点数を取られたことでやる気が湧いてきていた。

「ここで止めろよ、ツバサ、あんじゅ」
「・・・えぇ」
「わかったわ」

長い円陣が解けて各々が持ち場に戻る。その中から見えたエースの顔を見て、西村は笑みを浮かべた。

「これで越えられるぞ、孔明を」


















「ストライク!!バッターアウト!!」

『9番小泉見逃しの三振!!綺羅、1発を浴びましたがその後をキッチリ絞め味方の反撃を待ちます』

スコアボードに刻まれる2という数字。7回裏、それだけでこの数字がどれだけ大きいかは皆理解している。

「す・・・すみません・・・」
「気にするな。お前はピッチングに集中してくれればいい」
「そうだよ!!さぁ!!行くよ花陽ちゃん!!」
「穂乃果!!花陽まだグローブ持ってないわよ!!」

花陽の手を引きフィールドへと駆けていく穂乃果を制止する絵里。そこに凛が花陽のグローブを持って行きポジションへと散っていく。

「あ〜あ、にこっちがアウトにならなければもう一点はいっとったのに」
「ホントよね、何でしゃばってんだか」
「ちょっと!!聞こえてるわよそこの2人!!」

落ち込んでいたにこもすっかり元通りになり心配はなさそう。剛は元気に守備についている彼女たちを見回した後、円陣を組む相手校を見据える。

(悪いな西村。今度は勝たせてもらうぜ)

関東でのリベンジまであと2イニング。追い詰められた王
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