第七章 C.D.の計略
謎ライダーの人物
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た彼が地面に着地する。
二人は降ろしてもらうと、同時に五階の幡鎌の部屋を見上げた。
吹き飛ばされたショックで吹き上がった煙の中に、ユラリとあらわれる異形の影。
太い脚、逞しい腕、鋭い爪。
さらには頭部から後ろに向かって、角が五本ほど伸びている。
なるほど。確かにアイツは、リザードというよりドラゴンだ。
その影は、煙が晴れると同時に人の姿のものへと戻っていく。
そして飛び降り、両足をそろえた姿勢で着地した。
「冠木!!」
「よぉ。幡鎌」
現れた男は、古風というのがあっているような男だった。
とはいえ、あくまでもそれは「雰囲気」の問題で、服装は思い切り洋風だ。
黒い革ジャンに、グレーのGパン。
さらに靴は黒いブーツと、黒系で攻めている。
しかも、髪は金髪で、ブーツもカチャカチャと音を鳴らすほどに金属パーツがつけられている。
「貴様、この世界をどうするつもりだ・・・・ネイティブも人類も・・・すべての種族を滅ぼす気か!!!」
「総てを滅ぼす?そのようなことはしない」
ズチャリと足音を鳴らしながら、アスファルトを踏んで近づく冠木。
彼は、まるで演説するかのように軽く手を振りながら話し出す。
「貴様らネイティブは、俺よりも劣っている。とはいえ、それは俺基準に行ったことでな。さすがに同族。言うほど悪くはない。故に、ネイティブによる世界支配は大いに賛同だ。俺はその世界のために、他の種族を滅ぼす」
「そのためにお前は人類も、何もかもを滅ぼすのか!?」
加賀美の叫び。
だが、その声に冠木は不快そうに顔をしかめて唾を吐いた。
「おい人間。誰が発言の許可をした?俺は今幡鎌と話しているだろうが。我々の会話に無断で入り込むなど――――人間の分際で何を思い上がっていやがる!!」
「ッッ!!!」
突如とした激昂。
その怒声と迫力に、思わず言葉が詰まる加賀美。
だが、その後に冠木は少しばかり愉快そうに笑いだした。
「くっくっ・・・だが、まあ確かにそうだろう。いかに屑な種族である貴様らも、自分たちの行く末だ。知る権利くらいは許そう」
俺の許す範囲だがな、と付け足し、なおも薄ら嗤う。
それはまるで、飼い主がペットに語るかのような、そんな感じであった。
噛み付けば許さぬ。
従順ならば、それでよい。
「この世はネイティブで支配する。だが、その支配者である我らがあくせく動くのは間違いであろう?」
「まさか」
「人類は我々の支配圏の最下層の位置づけとして、延々と奴隷として過ごすがいい。我らのために生まれ、我らのために動き、働き、そして我らのために命を使い果たすのだ」
「貴様・・・」
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