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とある3年4組の卑怯者
68 無失点(ノーゴール)
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掛けた。ケン太が杉山にパスした。杉山がシュートを放つが、横山はボールをがっちり掴んだ。
 ボールの競り合いが続く。4組の陣地にボールが入った。上津がドリブルするが、ナベちゃんとブー太郎がボールを奪いに来たところを阿倍野にパスした。永沢のタックルを交わしてシュートした。藤木が反応して飛び付いた。
「藤木君、止めて!!」
 笹山が思わず叫んだ。藤木は捕れはできなかったが横に弾いてゴールを許さなかった。しかし、ボールが出たため、5組のコーナーキックとなった。
「みんな、守りを固めろ!」
 ケン太が呼び掛けた。ディフェンダーもミッドフィルダーもペナルティーエリアに集合した。飛田がキックした。上津にパスするつもりだったのだが、山根が執念でカットし、遠くへ蹴り飛ばした。胃腸の弱い山根とは思えない強力なキックだった。中島がそれを受け止めた。それをドリブルし、杉山に渡す。杉山がマークされるとケン太にパス、そしてケン太がシュートした。しかし、弾かれた。4組が1点リードしたまま試合は続いた。また5組のシュートのチャンスが来た。飛田がドリブルで打ち込んできた。残り時間は2分を切っていた。同点にされればPK戦で、覆される危険もある。藤木はゴールを守る事に必死になっていた。笹山も藤木がゴールを守ることを祈っていた。その時、近くに上津が回りこんでいた。
(しまった、上津君にパスされると、絶対にゴールされる!!)
 藤木は危機感を持った。藤木の予想通り、飛田は上津にボールをパスした。藤木は必死でパスを妨げようとした。
(絶対にノーゴールに終わらす!)
 ヘディングシュートを仕掛けようとする上津。ボールを捕ろうとする藤木。全ての皆がその様子を見守った。藤木が上津の頭に当たるすれすれでボールを掴んだ。藤木と上津が交錯する。しかし、藤木はそれでもボールを放さなかった。藤木は立ち上がるとボールを杉山のいる方向へと思いきり投げた。杉山がマークされ、中島にパス、そして中島は滝谷にボールを奪われたが、滝谷がロングパスしたところでホイッスルが鳴った。4組が勝利したのだ。
(ふう、必死でゴールを守ったんだ・・・)
 藤木は相手にノーゴールに終わらせたと確信した。両者整列をした。そして藤木は笹山に声をかけられた。
「藤木君、お疲れ様。凄い活躍だったわ」
「笹山さん・・・」
 藤木は感動した。
「ふん、普通なら怖くてボールを避けたのにこういう時だけは卑怯じゃなくなるんだから、呆れるよ」
 永沢が後ろから水を差す言い方をした。
「へえ、そういう永沢だって目立った事したのかしら?」
 城ヶ崎が口を挟んだ。
「うるさいな!さっさと体育館に戻れよ!君達も試合があるだろ!?」
「ええ戻るわよっ!あんたの活躍する所なんて見たくもないからねっ!!」
「何だと!?」
 いつもの喧嘩
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