68 無失点(ノーゴール)
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突き指と捻挫をした前田はリリィとたまえに連れられて保健室に向かったが、前田は泣き喚いていた。
「ちょっと、負けちゃうじゃない!私は勝ちたいのよ!!」
「でもそんな怪我じゃ、まともにできないよ・・・。むしろ皆の迷惑になっちゃうよ・・・」
たまえが力なく言った。
「次の試合こそ勝てばいいのよ、ね?だから皆を信じてよ。怒ってばかりじゃ皆に悪いわよ。約束したでしょ?怒らないって?」
リリィも必死で前田に約束を思い出させた。
「う、分かったわよ・・・。もう知らないわよ!!」
前田は不貞腐れていた。保健室に入り、保健の先生に左足と左手の中指を見せた。
「突き指に捻挫しているわね。これじゃあ、試合には出られないわね」
「そんな!!」
前田は抗議した。
「残念だけど、後は応援で頑張るしかないわね」
「前田さん、怪我は仕方ないわよ。皆を信じて応援しましょうよ!」
リリィが前田を慰めた。
「うん・・・」
前田は悔しかった。自分の出しゃばりが逆に自分を戦線離脱させる結果になるなど皮肉でしかなかった。
4組対5組の試合が始まった。大野と5組の阿部野がじゃんけんをした結果、4組がキックオフの権利を得た。4組も5組も4-3-3のバランスの良いフォーメーションだった。
4組
FW
大野、内藤、三沢
MF
ナベちゃん、ひらば、関口
DF
ブー太郎、永沢、山田、若林
GK
小杉
5組
FW
阿部野、藤井、飛田
MF
市尾、越部、福田
DF
滝谷、吉野、長野、鷲山
GK
喜志田
大野がボールを蹴った。しかし、5組は守りを固めた。内藤や三沢へのマークも厳しい。
(なんてチームプレイだ。これじゃあ、簡単にシュートできない!)
藤木は5組のチームプレイに驚いた。前半戦の時間が半分過ぎようとしているというのに、未だに0-0のままだった。
小杉もキーパーとしてよく頑張っていた。シュートを2つ必死で止めていた。そして女子が応援に来た。
(笹山さん・・・。笹山さんにも僕の試合姿を見て欲しかったなあ〜)
藤木は笹山に自分が試合に出る姿が見られなくて残念に思っていた。
「藤木君」
笹山が藤木のそばに来て話しかけた。
「さ、笹山さん」
「頑張ってる?」
「あ、うん、さっきの2組との試合、一度も僕はゴールを許さなかったんだ!」
「へえ、凄いわね!」
「うん、この試合の後半戦も出るよ!」
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