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テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ―そして、僕の伝説―
第五話
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見せたけど、誰もこの風景を知らない。それに、作り話でしょって、笑われちゃうの」
そう言って少し俯くカノンノ。
確かに、誰も知らない風景なら、そんな言葉が帰ってきても当然だろう。
「……でも、僕は信じるよ」
「え……?」
「カノンノがこんなに綺麗に描けてる風景を、『嘘』だとか、『有り得ない』とか考えれるわけないよ。こんなに鮮明に、分かりやすく描けてるならきっと直ぐに見つかるよ。僕は『嘘』なんて言わない。ちゃんと信じて、もし良かったら一緒に探してあげるからさ」
当然の事でしょ、と付け足し、小さく笑ってそうカノンノに言った後、メリアの時と同じ様にそっとカノンノの頭を撫でる。カノンノは驚いた様子を見せた後、嬉しそうに微笑んだ。
「ん、…うん。……ありがと、衛司」
「どう致しまして」
カノンノの感謝の言葉に、笑ってそう返す。
しかし、カノンノのこの風景……本当になんなんだろうか。
カノンノの頭から手を離し、再びスケッチブックを捲って見ていると、最後の絵が描かれているであろうページが前のページと二枚上手く重ねられて見えなかった。
「………?あれ、この最後のページ…」
「え……っ!ちょ、そこは見ないでっ!!」
重なったページを捲ろうとしたらカノンノに物凄い勢いで引ったくられた。
「え、ちょ……カノンノ……?」
「このページは駄目っ!!ぜぇったい駄目っ!!」
「うぅ……分かったから、落ち着いて……」
大事そうにスケッチブックを抱え、僕から退いていくカノンノに、何故か僕は落ち着いてといいながら、反射的に土下座をしていた。
……元の世界の両親や僕をよく知っている部長へ――
――僕の土下座は、本当に上達していっております。
……何故だか泣けてきた気がした。
――――――――――――
衛司とのそんなやり取りがあった後、カノンノは自室に戻り、抱え込んでいたスケッチブックをゆっくりと捲り上げ始める。
「……見せれるわけないよ」
そう、カノンノは呟いて、二枚重なっている最後のページを捲り上げた。
「……不思議だなぁ。なーんで書いたんだろ」
最後のページに、ふと不思議に自分が描いた『衛司』の絵を見てカノンノはそう呟くと小さく笑った。
僅かながら、その頬は若干赤く見えたのは、気のせいではないだろう。
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