第1話
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〜近郊都市リーヴス〜
「ここがリーヴスですか………」
「どことなくトリスタと似ている町だな……っと。あれがそうか。話に聞いていた通り、確かにまだ完成したばかりの施設みたいだな。」
駅から降りたセレーネは初めて見る光景を興味ありげな様子で見回し、リィンはかつて関わったある町を思い出した後町の奥に見える建物に気づいた。
「えっと……ヴァリマールさんは敷地の格納庫に運んでくれるとの事ですわよね?」
「ああ。」
「マスター。」
「ん?どうしたんだ、アルティナ。」
セレーネの言葉にリィンが頷いたその時アルティナがリィンに声をかけ、声をかけられたリィンはアルティナに視線を向けた。
「わたしは先に学院に向かいます。入学案内に書いてあった”生徒”の分校の入学式の集合時間が迫っておりますので。」
「兄様、私達も宿舎の方に向かいますのでお先に失礼します。」
「ああ、わかった。みんな、また後でな。」
アルティナとアルティナに続くように答えたエリゼの言葉にリィンは頷いた。
「ふふっ、今日から2年間、お互いに頑張りましょうね、旦那様♪」
「ムッ………」
「ア、アハハ………」
「えっと……せめて生徒達の前でその呼び方で俺を呼ぶのは止めてくれないか、アルフィン。何て言うか……公私混同しているように見えて生徒達に教官としての示しがつかないし。」
アルフィンのリィンに対する呼び方を聞いたエリゼがジト目になり、エリゼの様子を見たセレーネが苦笑している中リィンは困った表情でアルフィンに指摘した。
「ふふっ、そうですか?わたくしと旦那様の関係が”夫婦”である事は周知の事実なのですから、わたくしは別にわざわざ呼び方を変える必要はないと思っていますわ。」
「……まあ、確かに少なくてもエレボニアの人々にとってマスターはアルフィン様との関係の件も含めて”あらゆる意味で有名”ですから、マスター達の”夫婦”としての関係を生徒達が見てもあまり驚かないと。」
「ア、アルティナさん。」
「それでもエレボニアの人々は確実に驚くわよ……アルフィンは”元”エレボニアの皇女で、”帝国の至宝”の名で有名な事もあるけど、アルフィンはエレボニアがメンフィルと和解する為―――つまり政略結婚で”仕方なく”兄様に嫁いだ事になっているのだから……」
アルフィンの言葉に同意しているアルティナの様子にセレーネが冷や汗をかいている中、エリゼは疲れた表情で呟いた。
「うふふ、だったらいっそ”仕方なく”旦那様に嫁いだはずのわたくしが旦那様との仲がとても良好である事を見せる事で、わたくしの事を心配してくださったエレボニアの人々を安心させるべきかもしれませんわね♪」
「頼むから、プライベートはともか
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