第21話 新発足“大"日本帝国海軍 ターン20〜22
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――――海軍司令部――――
「伏見総長、空母試験の成果はどうだった?」
破廉恥改めサイコパス海軍長官と面会中。
やっぱり、この人って目が笑ってない……。
「ええ。流石は平賀博士ですね。
ちょっと自慢話が長かったですが……
空母の実用化は無理を言って最優先でお願いしてましたからね。
まさか第二世代の伊号1型潜水艦より先に出来るとは予想外でしたが」
「試作空母“若宮”は第三艦隊で運用するのかい?」
「いえ、東郷長官。できれば第五艦隊で運用したいと考えています」
「小澤少将のところに?」
「はい。小澤少将も『空母……最高』と随分と気に入ったみたいでしたよ」
「そうなのか?」
「小澤少将曰く――
遠くから攻撃できない敵を一方的にピチピチと叩く。
相手は『射程外からだと!?』などと言いながら、
じわじわと撃沈されていくわけですよ。
ふ……ふふふふ。
きっと、さぞかし悔しいでしょうね。
はぁ……もう考えただけでおしっこ漏れそうです――と」
「おいおい。最後の台詞まで真似て言う必要あるのか」
「東郷長官が好きそうな台詞だったので一応」
「誤解があるようだが……
それで彼女に試作空母をおねだりされたと?」
「私を除く正規艦隊の提督の中で最も航空戦の適性があるのが小澤少将です。
将来を考えれば航空戦ができる提督を早めに育てる必要があるかと?」
「なるほど……分かった。
航空戦のエキスパートである伏見総長の見識に異論はない」
「はっ、ありがとうございます」
表情はにこやかだけど、目を開いたまま笑ってるんだよな。
「試験の結果を見ても空母は今後の戦闘の主力になりそうだ。
これからは空母艦隊の編成を積極的にしていくべきだと思うが?」
本気で言ってるのか?それとも試されてるだけか?
「東郷長官、その件ですが……
軍令部総長として74式正規空母“赤城”の開発および建造の一時停止を提言します」
「……ふむ。その心は?」
「試作空母の完成で第三世代艦の開発の目途がつきました。
これにより今まで劣っていた日本海軍の“質”は先進国に並びます。
しかし問題となるのは“量”です。
資源・技術に乏しい我が国において空母を主力とするには負担が大きすぎます」
「それが75式防空艦の建造に繋がるわけか」
「はい。防空艦であれば空母の三分の一のコストで建造が可能です。
航空戦は私が最も得意とする分野です。
空母の活用の仕方も……当然ながら空母の弱点も知っています」
「今は一隻の空母よりも三隻の防空艦か」
「はい。それに空母よりも77式バリア戦艦の開発を急ぎたいと……」
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