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ドリトル先生と春の花達
第十幕その五

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「誰でも好きでね」
「世界的に有名になるのね」
「イギリスでもそうで」
「それでサラさんもなんだね」
「ご家族と一緒に」
「そうだね、そして僕もね」
 先生もというのです。
「いよいよだね」
「和歌会までには間に合いそうだし」
「和歌会の会場以外でも満開だね」
「それじゃあその桜をね」
「僕達も観よう」
「そうしようね、サラの次は僕達だね」
 先生はここでご自身だけを言いませんでした。このことも実に先生らしいことでした。そしてです。
 その先生にです、皆も言いました。
「そうそう、それが先生だよ」
「皆でって言うところがね」
「僕達のことも忘れない」
「ちゃんと一緒にって考えてくれてるから」
「それがいいのよ」
「先生だけじゃない」
「自分のことだけの人じゃないから」
 そうしたことは皆もよくわかっています。
「だからね」
「いつも一緒にいられるし」
「しかもそれが楽しくて」
「とてもいいのよ」
「いや、皆が一緒じゃないとね」
 先生が言うにはです。
「何がいいかってなると」
「そうなるからだよね」
「先生はいつも僕達と一緒だね」
「そして僕達もだよ」
「先生と一緒にいたくなるのよ」
「実際にいつも一緒にいるんだ」 
 そうだというのです、そうしたお話もしましてです。
 先生は学校に行って学園の中野桜の木々を見てでした、そのうえでこうしたことを言ったのでした。
「うん、遂にね」
「咲きそうだね」
「明日か明後日にはね」
「咲くね、桜が」
「そうなりそうね」
「蕾もね」
 桜のそれが遂に出ています。
「出て来ていて」
「それがだよね」
「咲くからね」
「本当にいよいよだよ」
「桜が咲くね」
「今年は寒いから遅くなるかって思っていたけれど」
「これだと大丈夫ね」
 いつも通り咲いてくれるとです、皆も言います。
「楽しみだよ」
「本当にいよいよだから」
「まだかなって感じで」
「とても待ち遠しいよ」
「その待ち遠しさを楽しむのもいいね」
 先生もにこにことしています。
「期待してね」
「何か苦しい感じもするけれど」
「待とう待とうって思うと」
「どうしてもね」
「このことは」
「そうだけれど」
 それでもというのでした。
「一つ問題なのはね」
「問題?」
「問題っていうと?」
「雨なんだよね」
 先生が気にしているのはこのことでした。
「強い雨が降ったらね」
「あっ、桜落ちるね」
「折角のお花が」
「だから雨は嫌だよね」
「どうしても」
「日本の春のはじまりは雨も多いし」
 だからというのです。
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