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チェロとお味噌汁と剣のための三重奏曲
3. あなたのためにがんばりたくて
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ちゃんだ。

 周囲を見回した。見知った後ろ姿を見つけ、僕は声をかける。

「赤城さん!」

 僕に背中を向けていた赤城さんが振り返った。今日の赤城さんは、いつかの清掃服ではなくて、真っ赤な袴と、同じく赤い胸当てをつけていた。その姿が、とても凛々しい。

「ああ、普賢院さん。到着しましたね。場所はすぐわかりましたか?」
「いえ、でもPT子鬼さんと妖精さんに道案内してもらいました」

 以前に食堂で合った時と比べ、幾分目が鋭い赤城さん。稽古場の準備はすでに整っているようだ。赤城さんの気迫のせいもあるだろうけれど、心持ち、空気がビリビリと痛い。

「赤城さんは出るんですか?」
「私は主審をやりますから試合には出ません。でも代わりにロドニーさんがすさまじく燃えてます。あなたと剣を交えることがよほどうれしいみたいですね」
「うう……」

 すみません鳳翔さん……試合に入る前から意気消沈しそうです……。赤城さんにつれられ、貼りだされたトーナメント表の前にきた。

「……もしロドニーさんとあたるとすれば、決勝戦ですか」
「『私と戦う前に破れたら、次に大学で会った時に張り倒す!!』って鼻の穴を広げてましたよ?」
「うう……命の危険が……」

 ということは、少なくとも一回戦を突破しなければ、僕の命が危ないということか……しかし、僕の一回戦のこの相手、どんな人なんだろう。剣に相当な自信がある人らしいけれど……


一回戦 ソラール(大淀パソコンスクール) vs 普賢院智久(食堂)

二回戦 ロドニー(ビッグセブンクリーン) vs 集積地棲姫(Pizza集積地)

決勝戦 一回戦の勝者 vs 二回戦の勝者


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