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とある3年4組の卑怯者
67 完敗
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わがタイムを取ってコートに来た。
「前田さん、大丈夫なの?」
「こ、このくらいどうってことな・・・、あう!!」
 前田は左足に痛みを感じて抑えた。
「前田さん、無理しないで。保健室に行った方がいいわよ!」
「何言ってんのよ!アタシがいないとアンタ達勝てないじゃないのよ!」
「強がるんじゃないわよ!笹山さんの言う通りよ!リリィさん、穂波さん、前田さんを保健室に連れてって!」
 みぎわはたまえとリリィを呼び、前田を保健室に連れて行った。前田の抜けた穴は本来出場予定の高宮が埋めた。しかし、1組の強力な連携に反撃すらできず、相手のボール・アウトで点を貰ったり、冬田や小長谷のアタックが決まることもあったが、結局16-5で大敗し、1組の勝利が決まったため、3セット目を行う事はなかった。
「負けちゃったわねえ」
 冬田が肩を落とした。
「やっぱりケン太の言う通り、1組はスポーツ得意な人だらけで強いね」
 まる子はケン太から1組には男女問わずスポーツが得意な児童が多いことを聞いていたのだ。
「また次の試合で頑張りましょうよっ!」
 城ヶ崎が皆を奮起させた。
「そうだね、それじゃ、次の試合は2ゲーム後だから男子の応援しようよ!」
 まる子の提案で皆は男子の応援に行った。
 
(たまちゃんは出なかったか・・・)
 橿田は1組と4組の試合を観戦しており、たまえの出番がなかったことを残念がっていた。
「ひろ子ちゃん、そろそろ練習しようよ!1組凄い強いし!」
「うん、そうね、けい子ちゃん」
 橿田は1組戦に備えて練習を始めた。

 男子サッカーでは本郷の活躍に藤木達は驚愕していた。
(本郷君凄いな・・・。あのシュートを止められたらなあ・・・)
 1組は3組に勝利していた。
「流石本郷君、サッカー部に入っているだけの事はあるね」
「はは、ありがとう・・・」
 鹿沼が対戦相手でありながら本郷のプレーを賞賛していた。
「よし、俺たちの番だ!行くぞ!」
 大野が呼び掛けた。藤木は後半戦からの出場になるが、次の5組との試合、2組戦同様ノーゴールで行くことを誓った。
 4組と5組の試合が始まった。
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