ep12 準備期間
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ソレスタルビーイングが所有する秘密ドッグの1つ。資源アステロイド群の中に潜む形で運用されているその場所で、ティエリア・アーデはMSの前に立っていた。
「セラヴィーガンダム……」
ガンダムヴァーチェの後継機。第3世代ガンダムの基礎設計を使用しているが、能力値は格段に上がっている。
隣にいるイアン・ヴァスティが嬉しそうに話す。
「まずはティエリアの機体がロールアウトだ。とはいえ、ケルディムもアリオスもほぼ終わっているが」
「ダブルオーの状態は」
「機体自体は完成している。ただツインドライヴの同調はまだできていない。やはりエクシアの太陽炉が……」
そこまで言いかけて、イアンは頭をわしゃわしゃとさせて黙ってしまう。ティエリアもそのことに突っ込まなかった。
「機体のシミュレーションをしたいのだが」
「もちろん構わないさ。本当は実際に動かした方が良いだろうが……」
「そんな我儘は言わない。連邦の監視網に引っかかったら終わりだ」
アロウズが本格的に作戦を展開し始めた今、不用意に動いて発見されるのは避けたいところだった。
イアンが顔をしかめて言った。
「反政府組織掃討という名の虐殺。ありゃテロリストもビビっちまうレベルだ」
「アロウズのやり方は非道だ。あれは我々の手で破壊しなければならない」
ティエリアはその場を離れ、キャットウォークへのエレベーターに入る。
ーーアロウズを倒す。だが、そのためには足りないものを補う必要がある。
脳裏にはいろんなものが浮かんだ。ヴェーダ。ソレスタルビーイング。GNドライヴ。ガンダムマイスター。
エレベーターが上階に到着し、ティエリアはキャットウォークを歩く。セラヴィーガンダムのコクピット前に立った彼は、小声で呟いた。それは、先ほど口を噤んだイアンへの返答だった。
「……彼は生きている。きっとどこかで、歪んだ世界を見ているはずだ」
セラヴィーガンダムのシミュレーションは好調だった。主武装のGNバズーカUはまだ調整中で実物は使えないが、データ上の使い勝手の良さにティエリアは満足だった。
「GNフィールドの出力も申し分ない。これなら連邦の現行機でも破れないだろう」
シミュレーションにはタイプ2が用意されている。これはセラヴィーではなく、もう1機のためのものだ。
ティエリアはタイプ2を呼び出し、もう1機の機体のシミュレーションを始める。
「セラフィムガンダム、起動」
サブモニターにセラヴィーのバックパックが表示される。ちょうど真ん中辺りに大きなガンダムフェイスが装備されているそれは、各部を展開してMSへと変貌していく。
セラフィムガンダ
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